抄録
傾斜鏡型赤外線集光加熱炉を用いてルチル単結晶の育成を浮遊帯域溶融法により行った。集光鏡の傾斜角を変化させた条件で溶融帯を形成し、単結晶育成を行った後、溶融帯を急冷固化して固液界面形状の傾斜角依存性を調べた。育成したルチル単結晶について化学エッチングを施し、エッチピット密度の分布をもとめ、エッチピット密度分布の傾斜角依存性についても調べた。傾斜角を0度から20度に増加させるに従って、固液界面の形状の凸度は減少した。一方、エッチピット密度は、結晶の中心で小さく、外周部分で大きな分布をもつことがわかった。また、傾斜角を増加させるに従って、全体として減少し、分布も小さくなることがわかった。