抄録
近年,太陽光励起レーザーがにわかに脚光を浴びているが,実用化に向けては課題が多い.私たちは,ファイバーレーザーによって太陽光励起レーザーの課題の多くが解決できるものと考えており,その実現に向けて効率の高いガラスレーザー媒質の開発に取り組んでいる.
一般には,Ndの励起は4F5/2準位の吸収帯がある808nm付近の光源を用いて行われている.それよりも高いエネルギーを持つ波長の光は対応する吸収帯に吸収された後,ほぼ100%の確率でレーザー始準位である4F3/2へと緩和するものと考えられているが,実測に基づく詳細な研究例はない.
本発表では,Nd添加ガラスの量子効率を励起波長を変化させて測定し,量子効率の励起波長依存性を調べたので報告する.