抄録
12CaO・7Al2O3(C12A7)は格子内に包接された酸素イオンをH-, e- などで置換することにより、高い導電性など、様々な特長をもつ状態に転化出来ることが報告されている。
C12A7薄膜作製に関する報告としては、PLD法による作製例があるが、大面積成膜が可能であり装置コストが低減できるなど、実用的に大変有効である溶液法による作製例はほとんど報告がない。本研究では、化学溶液法によりC12A7薄膜を作製することを目的とした。
C12A7前駆体溶液を乾燥・焼成して得られた粉末試料は、C12A7相であることが確認された。同じ前駆体溶液を用いてMgO(100)基板上に成膜された薄膜は、C12A7多結晶膜であることがXRDパターンより確認された。