抄録
SOFC発電特性の低下をもたらすNi-SDC/LSGM界面反応相の形成を抑制するために、燃料極焼き付け温度を低下する検討を行った。被覆型のNiO-SDC複合微粒子とポリエチレングリコールの混合物を燃料極用スラリーとして用いた場合、燃料極焼き付け温度1150℃では電子伝導パスの形成が不十分で、導電率は著しく低下した。電子伝導パスの形成を促進するために、Ni相の結合が生じやすい分散型NiO-SDC複合微粒子と、キレート化した溶液の混合物を燃料極用スラリーとして用い、1150℃で構築した場合には1250℃と比較して約1.3倍の導電率を示し、焼き付け温度の低温化による反応相形成抑制の効果であると考えられる。