抄録
シリカエアロゲルは極めて低い熱伝導率と高い可視光透過率を持ち、透明断熱材への応用が期待されているが、非常に脆い性質と超臨界乾燥による高コスト化の問題から実用には至っていない。そこで、有機の柔軟性と無機の強度を兼ね備え、亜臨界や常圧乾燥によるエアロゲルの作製が可能な有機修飾シリカエアロゲルが注目されている。しかし、有機修飾シリカエアロゲルは細孔構造の制御が困難で、一般的なシリカエアロゲルと比べて可視光透過率が低い。本研究では、界面活性剤を用いて有機修飾シリカエアロゲルを作製し、界面活性剤の形成するミセルに依存した細孔構造を形成させることで、可視光透過率の向上を目指した。