抄録
希土類ホウ化物LaB6は高融点、低蒸気圧、金属的な高い導電性を有し、更に仕事関数が小さいなどの優れた特性を有する材料である。そのため、現在LaB6は高輝度・長寿命な熱電子放射材として利用されている。このような優れた特性があるにも関わらず、薄膜に関する研究はほとんど行われていないのが現状である。これまでに我々は超平坦サファイア基板上におけるLaB6(100)配向膜の結晶成長機構と電気物性評価について報告してきた。本研究では、これまでに報告されていないサファイア基板上へのSrB6エピタキシャル薄膜合成およびSrB6バッファ層を用いたLaB6エピタキシャル薄膜合成を行ない、バルク状態・多結晶薄膜とは違った物性発現の可能性や組成変調による特性変化について検討した。