抄録
燃料電池は、発電効率が良好でCO2やNOx等の排出量も少ない発電システムとして注目されている。しかし、液体であるH3PO4は電池を構成する炭素材を腐食し易く、水素極と空気極を導通させる恐れがある。また、H3PO4によってセパレータが短絡する可能性も懸念される。本研究では、プロトン伝導性を示すH3PO4に対してPVAを加え混合溶液を作製した。さらに、HCHOを混合してホルマール化することにより、リン酸型固体電解質を耐水化し、得られた複合体の構造及び電気特性を評価した。
PVAとH3PO4の混合溶液をホルマール化した際の固体膜の生成の可否はHCl量及びHCHOと大きく影響し、HCl量及びHCHO量を多くすることにより作製が可能となった。