抄録
層状酸化物を剥離することによって得られる金属酸化物ナノシートは、厚さ1 nm、幅数百nmの単結晶構造を有しており、ナノサイズ効果に由来する特異な物性を示す。発光ナノシートは化学的に安定でかつ光漂白の影響が無視できる点で有機色素やポリマーに対して優れており、光学・電気光学デバイスのみならず化学・生化学センサーの発光プローブとして期待できる。しかしながら、発光ナノシートに関する研究は少なく、一般的な蛍光体のように、赤・緑・青に強く発光するナノシートの合成には至っていない。本研究では、様々な層状酸化物を剥離してナノシートを合成し、発光ナノシートの合成を試みた。その結果、赤、緑、青に発光するナノシートの合成に成功した。