抄録
天然ゼオライト(秋田県産クリノプチロライト)の化学的,及び機械的(粉砕)処理によるアンモニウムイオン保持量の向上について検討した。化学的処理として,粉末状のゼオライトをNaOH水溶液に所定の時間攪拌・浸漬した。また機械的処理として,遊星回転ボールミルで所定の時間,水を用いて湿式粉砕を行った。得られたクリノプチロライト試料のアンモニウムイオン保持量は,上記の化学的・機械的処理により大きく増加し,これらの処理が有効であることが示された。特に機械的処理においては,メカノケミカル効果によりゼオライト構造が崩壊しながら高いイオン保持量が保たれるという,興味深い結果が得られた。