抄録
ZnOは優れた特性を活かして,多くの分野に応用されている機能性材料である.機能向上のために各種微量成分の添加が行われており,例えば,ZnOへの Al2O3の添加は導電率の向上に効果的である.そこで本研究は,機械的粒子複合化プロセスにより調製したAl2O3ナノ粒子/ZnO複合粒子を用いて試料を作製し,電気的特性や微構造に及ぼすAl2O3添加量と粉末調製プロセスの影響を明らかにすることを目的とした.結果は,複合化粉末を使用した試料の導電率が高い値を示した.これは,機械的処理によりAl2O3がZnO表面に均一に分散したしたことで,粒成長が抑制されるとともに,短時間の焼成でAlがZnO内に均一に拡散したことにより,高い導電率を得ることができたと推測される.