抄録
超塑性変形における巨視的変形の大部分は粒界すべりに起因しており、これを促進させれば低温・高速超塑性材料の開発が可能である。超塑性セラミックスにおいては粒径を微細化することが最も重要であることが知られており、その開発がなされてきた。しかし、これら微細化の試みも技術的な限界に到達しつつあり、新規な超塑性化の概念が必要となってきている。本研究では、超塑性粒界すべりにおいて、変形エネルギーが低減できるような微細構造を模索することを目的とする。個別要素法を用いて種々の異なる幾何学微細構造モデルを作製し粒界すべりに対する変形抵抗を比較し最適構造を検討する。
作製した粒子集合体を引張変形させ、モデルごとの粒界すべり様式の変化、および、変形に要する変形エネルギーを付加歪の関数として連続的に計算して、各モデル集合体の変形能を比較した。