抄録
助触媒を必要としない水分解光触媒であるK3Ta3B2O12をペルオキソタンタル酸錯体を原料に各種溶液法で合成した。そのうち単相で合成することに成功したのは錯体ゲル法と錯体重合法(ポリアミド法)であった。錯体ゲル法で合成した触媒の水分解活性評価を行ったところ、従来報告されている固相法の活性に勝ることはなかった。しかし助触媒を担持することで活性が最大6.4倍ほどになった。溶液法で合成した試料はホウ素が揮発するため欠陥が生じ、そこに励起電子がトラップされることで活性が低下したのではないかと考えられ、この系は本来助触媒を必要とするのではないかと考えられる。