抄録
スピンコーティングによってポリビニルピロリドン(PVP) をSi(100) 基板上に成膜し、300℃で熱処理した。この上にチタニアゲル膜を成膜し、5℃/min の速度で500℃で昇温し、500℃で種々の時間保持した。 このようにして作製したチタニア膜が粘着テープにより剥離できるかどうかを試験した。チタニアゲル膜の熱処理を空気中で行った場合、500℃での保持時間が25 min以上となると、粘着テープによる剥離ができなくなった。一方、熱処理を窒素中で行うと、25 min以上熱処理したチタニア膜でも剥離が可能であった。また、300℃までの熱処理を空気中で行い、300℃から500℃までの熱処理を窒素中で行うことにより、熱処理過程での亀裂発生を抑制することができた。