抄録
ZrW2O8は広い温度領域で三次元等方的に大きな負の熱膨張係数を示す物質として知られる。熱変化の激しい環境に曝されるデバイスでは、異なった材料の接合界面における熱応力発生に伴う剥離や破断といった問題があるが、固溶置換等の手法によって負から正まで熱膨張係数を制御した材料をパッケージングやバッファー層として用いることが有効な解決策であると考えられている。本研究では、低温で均一組成を得やすいゾルーゲル法と低温で緻密な焼結体を得ることができる放電プラズマ焼結法を併用してCeドープZrW2O8焼結体を作製した。Ceドープ量の増加に伴い、作製した焼結体の熱膨張係数がゼロ熱膨張に近づくことが確認された。