抄録
チタン金属をNaOH水溶液に浸漬し、次にNaCl / CaCl2混合溶液に浸漬した後、加熱処理すると、その表面にCaとNaが導入された。また、NaCl / CaCl2混合溶液中のCaCl2の濃度の上昇に伴い、チタン金属表面のCaが増加し、Naが減少した。薄膜X線回折によれば、これらの試料には、チタン酸ナトリウム、チタン酸カルシウムおよびルチルが検出された。Ca含有量が2.4 atom%以下でNa含有量が1.4 atom%以上の試料を擬似体液に3日間浸漬すると、表面にアパタイトの析出が認められ、そのアパタイト形成能は80°C、相対湿度95%の雰囲気に1週間保管しても低下しなかった。