日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2010年年会講演予稿集
選択された号の論文の645件中1~50を表示しています
  • 土信田  豊
    セッションID: 1A17F
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
  • 寺岡 賢二, 小舟 正文, 大幸 裕介, 嶺重 温, 矢澤 哲夫
    セッションID: 1A19
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    非鉛圧電材料において代替候補として注目される菱面体晶系(Bi0.5Na0.5)TiO3 (BNT)を母材とし、これのエンドメンバーとして新規ペロブスカイト化合物の正方晶系Ba(Cu1/3Nb2/3)O3 (BCN)を用いて二成分系固溶体の作製とその特性評価を行った。モルフォトロピック相境界(MPB)を明らかにし、そのMPB組成領域付近について強誘電・圧電性を詳細に調べた。
     XRD結果より、BCN = 0.0475- 0.055 molの範囲は菱面体晶と正方晶が二相共存するMPBと推定された。d33はBCN = 0.0525 molのとき最大となり147 pC/N に達した。これはBNTの1.9倍に相当した。実用化の観点から重要なTdはMPB付近から急峻に99°から75℃まで低下した。これらを総合的に評価すると、Td = 99℃、ε33T/ε0 = 965、d33 = 144 pC/Nを有するBCN = 0.0475 molが新規圧電アクチュエータ材料として有望である。
  • 田村 健, 木村 敏夫
    セッションID: 1A20
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    CaBi4Ti4O15(CBT)はビスマス層状構造強誘電体(BLSF)に属し、非鉛圧電セラミックス材料として期待される物質である。この物質の圧電特性の改善を、粒径制御、配向付与および添加物を加えることによって試みた。配向付与はTemplated Grain Growth(TGG)法によって行い、この際に用いる粉体の条件や、焼成温度を変えることで粒径制御を行った。添加物にはMnCO3を用いた。 圧電定数d33を測定した結果、配向付与、粒径制御、Mn添加により、最大で24.9 pC/Nというd33値が得られ、粒径が2-5μmの無配向多結晶体に比べて約5.3倍に向上させることに成功した。
  • 島村 篤, 大和 慶祐, Petr Pulpan, 熊田 伸弘, 和田 智志, 黒岩 芳弘
    セッションID: 1A21
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    現在、Pb(Zr,Ti)O3(PZT)系圧電材料は、その優れた特性のため多くの分野で用いられている。これは490℃という高いキュリー温度を持つチタン酸鉛(PbTiO3, PT)に依存していると言っても過言ではない。そこで、鉛を含まずに、PTよりも高いキュリー温度を持つ強誘電体を合成できれば、PZTを超える圧電材料の開発が可能となる。そこで、ペロブスカイト構造のA-siteに酸素との共有結合性が大きいBi3+イオンを、B-siteに空のd軌道を持つd0電子状態のイオンでイオン半径が小さく、価数が高いNb5+イオンを含む新規ペロブスカイト構造強誘電体を合成することを本研究の目的とした。その検討結果について報告する。
  • 小松 宏晃, 保科 拓也, 武田 博明, 鶴見 敬章
    セッションID: 1A22
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    近年,低侵襲医療の観点から,内視鏡外科手術が急増している.しかし,現在使われている内視鏡はガイドワイヤを使って光ファイバの先端を駆動しているため,これ以上の小型化は望めない.内視鏡の更なる小型化を実現するためには,新しい駆動方法を確立する必要がある.本研究では,エアロゾルデポジション法によって光ファイバ表面に圧電セラミックス膜を形成し,圧電効果によって光ファイバの先端を駆動させる光学系と駆動系が一体となった新規アクチュエータを提案する.直径125µmの円柱形の光ファイバ表面に圧電セラミックス膜を一様に形成する装置を考案した.この装置を用いてアクチュエータを作製し,圧電効果による駆動を確認した.
  • 水原 健介, 保科 拓也, 武田 博明, 鶴見 敬章
    セッションID: 1A23
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    圧電エネルギーハーベスタとは、生活空間に存在する振動を圧電体により電気に変える小型発電機のことである。本研究の目的は、発電量向上に向けて材料定数と発電特性の関係を実験的に明らかにすることである。バイモルフ型の圧電エネルギーハーベスタを設計し、非鉛圧電体を用いて試作機を作製した。インピーダンスの測定と発電特性の評価を行い理論式の修正を行なった。その後、材料定数の異なる様々な圧電体を用いて同様の実験を行った。それらの結果をフィッティングすることにより、材料のみの材料定数、デバイス化後の逆圧電効果による材料定数、正圧電効果による材料定数をすべて決定し、材料定数と発電特性の関係を実験的に明らかにした。
  • 岩下 修三, 福岡 修一, 野口 祐二, 宮山 勝
    セッションID: 1A24
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    (1-x)(K,Na,Li)NbO3(以下KNLNと略)-xBa(M,Nb)O3(M:Mg、Co)の固溶体の検討を行ったところ異常粒子成長が認められた。x=0.01組成においてM=Mgの場合で平均粒子径が約100μm、M=Coの場合は約1cm以上に及ぶ巨大粒子へと成長することが確認された。この巨大粒子の表面のXRDは(210)cubicのピークのみが検出されており、この巨大粒子を粉砕した粉末XRDではペロブスカイトの各面指数のピークが観察された。このことから巨大粒子は単結晶体と判断した。この巨大粒子切り出し、(100)cubic方向の圧電歪定数(Smax/Emax)を評価すると310pm/Vと大きな圧電性が確認された。このことはアクチュエータ用途への可能性を示すものである。
  • 間瀬 康夫, 清水 茂仁, Petr Pulpan, 宮嶋 尚哉, 和田 智志
    セッションID: 1A26
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    将来社会において、ロボットや安全空間等様々な分野で接触センサなど多くの高性能センサが必要となる。そこで、本研究では接触や加速度センサなど圧電材料を用いたセンサの高性能化に注目し、さらに、酸化物強誘電体の中でも密度が最も小さく、かつ圧電g定数が比較的大きなニオブ酸カリウム(KNbO3, 以後、KNと略)を用い、これらを多孔質化することで、更なる軽量化、かつ比誘電率の低下による圧電g定数の向上を図ることを目的とし、材料開発を行った。本研究では多孔質KNセラミックスの作製方法の開発と多孔化による圧電g定数への影響についての検討結果を報告する。
  • 中野 雅也, 柿本 健一, 籠宮 功
    セッションID: 1A27
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、水溶液プロセスの利点をさらに活かして、ニオブ系原料粉末の合成過程において噴霧乾燥法を新たに取り入れて、(Li,Na,K)NbO3セラミック原料の球状粒子化を試み、その熱分解挙動を調べた。目的組成物となるようにアルカリおよびニオブ源すべてを溶液状態で混合した後、スプレードライヤーに供して噴霧乾燥粉末を得た。その後、噴霧乾燥粉末の形状観察、熱分解挙動、結晶性および焼結性などを評価した。噴霧乾燥によってサイズと形状が比較的整った約5μm径の球状粒子の合成が確認できた。熱分析結果によると、495oCにシャープな発熱ピークと重量減少の完了が確認され、500oC程度の低温で無機化した。
  • 二口 友昭, 角田 龍則, 坂井 雄一, 安達 正利
    セッションID: 1A28
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    アルカリニオブ酸系セラミックスは、キュリー点が高く、圧電性も比較的大きいため、中高温域で使用可能な非鉛系圧電材料として近年注目され、各種組成系の検討や応用デバイスの試作なども進められている。一方スクリーン印刷法は厚み数10μmの厚膜パターンが容易に形成できるため、MEMSデバイス用の強誘電体、圧電体厚膜としての利用等が期待されている。また、この方法では基板に固定されて膜が形成されるため、Bi層状化合物などにおいて配向した膜が得られる。ここでは、Li0.06Na0.47K0.47NbO3粉末を用いて作製したペーストをスクリーン印刷し焼成により形成される厚膜について、作製条件および添加物と厚膜の微細構造および電気特性の関係をバルク焼結体と比較して検討した結果を報告する。
  • 山下 健太, 清水 茂仁, プルパン ピータ, 和田 智志
    セッションID: 1A29
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    現在、誘電材料としてチタン酸バリウム(BaTiO3、BT)が用いられているが、キュリー温度(Tc)が130℃と低い。今後、高温での使用を考慮すると、200℃以上でもフラットな比誘電率を維持する新規誘電体材料が必要となると考えられる。そこで、Tcの高いアルカリニオブ酸(Alkali Niobate、AN)系の材料とBTとの固溶体を作製することで、高温でもフラットな比誘電率を持つ試料を作製できる可能性がある。そこで、本研究では、これらの固溶体を作製し、比誘電率の温度依存性を評価したので報告する。 【実験方法】xAN-(1-x)BTセラミックスの原料として、日本化学工業で作製した100nmのニオブ酸カリウム(KNbO3, KN)、ニオブ酸ナトリウム(NaNbO3, NN)、ニオブ酸ナトリウムカリウム(K0.5Na0.5NbO3, KNN)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3, LN)粒子とBT粒子(堺化学工業、100nm)を使用した。これらの粒子を種々の混合比でボールミルで混合した後、乾燥し、直径10mmのペレット状に成形した。その後バインダーを除去し、種々の温度で焼結した。得られた焼結体の密度測定、SEMによる微構造観察などを行った後、試料を所定の形状に加工した。インピーダンスアナライザーを用いて400℃までの試料の比誘電率の温度特性を評価した。
  • 飯山 昂, 北村 尚斗, 井手本 康
    セッションID: 1A30
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    (Bi,La)4Ti3O12,(Bi,Nd)4Ti3O12のTiサイトにMo、OサイトにFを置換した試料、それらにBi4Si3O12を2~5mol%添加した試料に新たに着目し、Mo,F置換、BSO添加が強誘電特性に与える影響を結晶構造解析の観点から検討した。同置換・添加により(00l)面のX線ピーク強度とプレート状粒子の割合が増加した。また残留分極Prの増加及び誘電損失が改善された。結晶構造解析から同置換・添加によりペロブスカイト層の金属-酸素結合の共有結合性の増加が示唆され、自発分極の寄与の変化は主にペロブスカイト層に集中し、酸化ビスマス層ではほとんど変化が見られなかった。よってMo置換、BSO添加が特にペロブスカイト層に対して影響を与えている可能性が示唆された。
  • 室井 諒, 北村 尚斗, 井手本 康
    セッションID: 1A31
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    当研究室ではこれまでに、SrBi2Ta2O9(SBT)のSrサイトにBiが一部置換し、TaサイトにWを置換したSr0.8Bi2.2Ta1.95W0.05O9及びBi2SiO5(BSO)、Bi4Si3O12を添加したバルク試料について、強誘電特性と結晶構造を検討してきた。本研究では新たに、SBTのTaサイトをNbに置き換え、W,Moを置換したSr Bi2(Ta,Nb,M) 2O9(M=W,Mo)に注目し、組成変化による強誘電特性の変化を検討した。さらに結晶構造解析を行うことで、結晶構造及び電子密度分布の置換種による変化と強誘電特性の関係を明らかにすることを目的とした。結果として、Mo置換の試料の方がPrが大きくなる傾向が見られた。また、これらにBi2SiO5添加した場合の、強誘電特性に与える影響を検討した。
  • 高橋 星太, 萩原 学, 保科 拓也, 武田 博明, 鶴見 敬章
    セッションID: 1A32
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    圧電デバイスの小型化,高出力化にともない,ハイパワー使用に適した圧電セラミックスの開発が必要となる.この使用条件下での圧電特性測定方法の一つとして過渡応答法がある.過渡応答法とは、電流や振動速度の過渡応答波形の減衰挙動を解析することで機械的品質係数を算出する方法である.しかし,従来の解析に用いられている理論式では,圧電定数の非線形性が考慮されていないため,波形のうねりや周波数の変化を説明することができない.本研究では矩形板状振動子を用い,長辺方向伸び振動による電流と振動速度の過渡応答波形を解析した.そして非線形項を導入することによりハイパワー条件下での波形のうねりや周波数変化を再現し,圧電特性評価を行うことを試みた.
  • 松堂 人士, 柿本 健一, 籠宮 功
    セッションID: 1A33
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    (Na,K)NbO3系無鉛圧電材料は比較的優れた圧電性を示す。しかし本材料は圧電性および強誘電性が不安定との問題が指摘されている。この原因として、試料内部のイオン欠陥を起点とした脱分極現象が生じていることが予想される。そこで本研究では、分極処理したNa0.5K0.5NbO3セラミックスと単結晶の熱刺激電流を測定し、加熱時に生じる脱分極現象を調べた。その結果、相転移温度近傍における熱刺激電流パターンにおいて、強誘電性ドメイン構造変化に対応する急峻なピークが観察された。一方、セラミックスの電流パターンでは約280および370 oCを中心とする散漫な電流パターンも観察された。この異常電流はセラミックス試料で特に顕著であり、粒界近傍に存在するイオン欠陥に蓄積された電荷の熱放出現象であると推測される。
  • 中山 将伸, 野上 正行, 勝又 哲裕, 吉田 雅, 稲熊 宜之
    セッションID: 1A34
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    極性酸化物は、強誘電性、圧電性や非線形光学特性など対称性に由来する物性を示すことから、基礎と応用の観点で重要な物質である。これまで、極性結晶の探索は、2 次のJahn-Teller 歪を引き起こすTi4+, Nb5+, Ta5+, Mo6+, W6+などのd0 遷移金属イオンや 非共有電子対ns2 をもつPb2+やBi3+イオンを含む化合物を主な対象としておこなわれてきた。一方、我々は (n-1)d10ns0 電子配置をとる陽イオン(Zn2+およびSn4+)のみを含むZnSnO3 の超高圧合成に成功し、この物質がLiNbO3 型(LN-type)構造をもつ極性酸化物であることを見出した。その後、SonらによってZnSnO3薄膜の作製がなされ、~ 47 μC cm-2という比較的高い自発分極を示すことが報告されている。本研究では、ZnSnO3材料の結晶構造・電子構造に起因する有限圧力下での相安定性と電気特性を考察するために、密度汎関数理論に基づく第一原理計算によって検討を行った。
  • 川田  慎一郎
    セッションID: 1A35F
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
  • 柳生 穂高, 高松 智寿, 加藤 雅恒, 野地 尚, 小池 洋二
    セッションID: 1B17
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    層状酸化塩化物α-MOCl (M = Y, La)に着目し,Liインターカレーションにより,あるいは,NaN3やCaH2を用いたClの部分欠損により電子ドーピングを行い,超伝導化を試みた. Li量x = 0.1-0.2程度のインターカレーションに成功したが,代表的なインターカレーション超伝導体の母物質M'NCl (M'= Zr, Hf, Ti)に比べるとかなりインターカレーションしにくいことがわかった.また,2 K以上の磁化率測定では超伝導転移を確認することはできなかった.
  • 戸田 昌治, 今西 誠之, 平野 敦, 山本 治, 武田 保雄
    セッションID: 1B18
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    LiLa3Zr2O12はリチウムイオン導電性を有し、Li金属に対して安定であることから、固体リチウム電池への応用が期待できる物質である。これまでLiLa3Zr2O12は固相法による合成法が報告されているが、合成温度が1000℃以上の為、Liの蒸発による化学量論比からのズレが懸念される。そこで、本研究ではゾル・ゲル法を用いLiLa3Zr2O12の低温合成を目指した。出発原料にLiNO3, La(NO3)3・6H2O, ZrO(NO3)2・2H2Oを用い、クエン酸とエチレングリコールをそれぞれ出発原料の2倍モル量加え、蒸留水で完全に溶解させ、加熱しゲル化させた後、350℃・5Hr乾燥させて出発試料を作製した。その試料を800℃で20h焼成し正方晶のLiLa3Zr2O12を合成した。その試料を、TG-DTA測定で始め800℃まで昇温させた後、降温過程の450℃で20h保持すると、3%程の重量増加が確認された。 また、このTG-DTA測定後の試料はXRD結果より、立方晶のLiLa3Zr2O12であることが分かった。ガス分析の結果、LiLa3Zr2O12は450℃付近で空気中の二酸化炭素を吸収して正方晶から立方晶へ構造変化することが分かった。
  • 甄 玉花, 安達 裕, 坂口 勲, 李 建永, 大垣 武, 菱田 俊一, 松本 研司, 西村 聡之, 羽田 肇, 大橋 直樹
    セッションID: 1B19
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    酸化スズ(SnO2)は化学センサー用材料として応用される酸化物半導体である。その導電性や表面反応性を知ることは、高い性能をもったセンサーの開発に不可欠である。しかし、高い蒸気圧と難焼結性という問題からバルク物性の検討に必要な単結晶や高密度焼結体の入手が難しい。そこで本研究ではエピタキシャル成長したSnO2薄膜をパルスレーザー蒸着(PLD)法で製膜し、その製膜条件と薄膜の特性について検討したので報告する。
  • Pei Zhao, Akihiko ITO, Rong Tu, Takashi Goto
    セッションID: 1B20
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    CeO2 films were prepared on Al2O3 substrates by laser chemical vapor deposition at different laser power (PL) up to 182 W. The (100)-oriented CeO2 films were prepared at PL = 101 - 167 W (Tdep = 792 - 945 K). The texture coefficient (TC) of (200) reflection had a maximum of 6.7 at PL = 113 W (Tdep = 836 K). The (100)-oriented CeO2 films prepared on Al2O3 substrates consisted of granular grains and showed a columnar structure in cross section. The deposition rate of (100)-oriented CeO2 films showed a maximum of 43 umh-1 at PL = 152 W (Tdep = 912 K).
  • 伊藤 敏雄, 田口 裕子, 伊豆 典哉, 松原 一郎, 中村 俊一, 鈴木 健吾, 神田 奎千, 申 ウソク, 西堀 麻衣子
    セッションID: 1B21
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    酸化セリウムは高い酸素拡散係数を有する材料であり、抵抗変化型のガスセンサとして酸素センサやCOセンサへの展開が期待されている。また、含硫黄系、含酸素系の有機ガスに対する応答も良好であり、さらには、測定環境湿度の変化による、抵抗値変化やガスに対する応答値の変動が小さい材料であることも見いだされている。酸化セリウムは新規ニオイ系ガスセンサ感応材料への応用が期待されており、その応答メカニズムの解明が求められている。本研究では、材料の電気抵抗に寄与する、バルク、粒界、電極界面の抵抗成分に分離することが可能な交流インピーダンス法によって、酸化セリウムガスセンサ素子の抵抗成分の解析を行った。
  • 川端 顕吾, 岸 哲生, 西尾 圭史, 安盛 敦雄
    セッションID: 1B22L
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    近年、化石燃料の代替エネルギー源として、水素、アルコールなどの可燃性ガスが注目されてきており、それらを高精度・高感度で検知できるガスセンサの小型化や、検知ガスの選択性など高性能化の研究・開発が進められている。我々は、これまで接触燃焼式ガスセンサとして、ゾルゲル法を用いてガラス基板上にPt/Pd担持チタニア薄膜を作製し、その水素ガスセンサ特性を報告している。そこで本研究では、ガラス基板の代わりにガラスキャピラリを用いることでセンサの小型化を図ること、温度測定により測定システムを簡便化することを目的とした。その結果、ガラス基板上に担持した場合よりも大幅な温度上昇によるセンサ感度の向上と小型化が実現できた。
  • 角田 俊輔, 黒木 雄一郎, 岡元 智一郎, 高田 雅介
    セッションID: 1B23
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    我々は、GdBa2Cu3O7-δ(Gd-123)セラミックス線材に、室温で、ある値以上の電圧を印加すると、線材の一部分が赤熱する現象をホットスポット現象と名付け、本現象を利用した酸素センサの開発を行っている。本研究では、CuOセラミックスから切り出した線材を用いることによりCuOを芯とするGd-123線材を作製し、電流-電圧特性を直流4端子法により評価した。得られた試料の電流-電圧特性は、負性微分抵抗特性を示す領域と、定電流特性に近い挙動を示す領域があった。Gd-123は正の抵抗温度係数特性を示すのに対して、CuOは負の抵抗温度係数特性を示す。この抵抗温度係数特性の違いが負性微分抵抗特性発現の原因の一つであると考えられる。
  • 西堀 麻衣子, 申 ウソク, 伊藤 敏雄, 伊豆 典哉, 松原 一郎
    セッションID: 1B24
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    マイクロ熱電式ガスセンサデバイスの長期の安定した性能を保証するためには、その燃焼触媒の耐久性が重要である。本研究では、アルミナ坦持Pt合金触媒(Ru-Pt、Pd-Pt、Rh-Pt)をそれぞれマイクロ熱電デバイス上に集積化し、12ヶ月間の燃焼性能変化を評価した。さらに、12ヶ月通電後のマイクロデバイス集積化Pt合金触媒について、それぞれの微細構造を透過電子顕微鏡(TEM)で観察し、耐久性との相関を検討した。
  • 小針 未由紀, 高西 一正, 黒木 雄一郎, 岡元 智一郎, 高田 雅介, 小西 統雄
    セッションID: 1B25
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    我々は、Pd薄膜の水素化に伴う光学的性質の変化を利用した光検知式水素ガスセンサの研究を行ってきた。これまでに報告されている水素ガスセンサは、スパッタリング法を用いてPd薄膜をガラス基板に堆積させたものであった。近年、我々は、従来のスパッタリング法に代わって大型装置が不要であり、成膜エネルギー消費量の少ない手法である、メッキ法によりPd薄膜を作製している。そこで本研究では、Pdメッキ液の節約を目的とし、筆メッキ法と液滴を用いた電気メッキ法という2つの局所電気メッキ法を用いて、Pd薄膜を作製する方法を検討した。この手法により作製した試料では、薄膜が剥離することなく、安定した繰り返し水素検知特性が得られた。
  • 籠宮 功, 鈴村 雅矢, 柿本 健一, 大里 齊
    セッションID: 1B27
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    酸素イオン・電子混合導電性セラミックスは、酸素分圧差圧下にて大気中より純酸素のみを透過できることから、メタン部分酸化改質への応用が期待されている。高い酸素透過速度をもつ典型例として、酸素欠陥型Sr-La-Fe-Co系立方晶ペロブスカイトが報告されている。しかし、十分な酸素透過速度を得るのに900 C以上の高い温度を必要とすることが一つの問題点である。本研究ではSr-La-Fe-Co系で単純立方晶ペロブスカイトと異なり、インターグロースペロブスカイト構造を有するSr3-xLaxFeCoO7-dに注目し、この結晶構造の違いが、混合導電性および酸素透過性に及ぼす影響を調べる。これより、酸素透過温度を下げるための有効な指針を見出したい。今回は特に、Sr3-xLaxFeCoO7-dの全導電率、ゼーベック係数を評価した結果を報告し、単純立方晶ペロブスカイトの場合と比較する。
  • 山本 慎治, 八島 正知
    セッションID: 1B28
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    ペロブスカイト型酸化物La0.6Sr0.4Co0.8Fe0.2O3-δ(LSCF6482)は酸化物イオンと電子の混合伝導体であり、固体酸化物形燃料電池(SOFCs)の電極材料として研究が進んでいる。本研究では室温から高温でその場測定したLSCF6482の放射光粉末回折データのリートベルト解析および電子密度解析の結果を報告する。放射光粉末回折データのリートベルト解析により、LSCF6482は25℃で三方晶系であり、(Co,Fe)O6八面体が反位相の回転系a-a-a-を示すことが確認された。また1010℃では立方晶系となり(Co,Fe)O6八面体に回転が無いa0a0a0ことを確認した。はLSCF6482の高温でのMEM電子密度分布を示したもので、(Co,Fe)-O間に共有結合が確認された。部分電子状態密度より、この共有結合はLSCF6482では(Co,Fe)の3d軌道とOの2p軌道が重なることによって形成されることが分かった。
  • 八島 正知, Sirikanda Nuansaeng, 石原 達己
    セッションID: 1B29
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    Pr2NiO4系混合伝導体(Pr0.9La0.1)2(Ni0.74Cu0.21Ga0.05)O4+δの結晶構造、拡散経路および酸素透過性について研究した。
  • 山田 裕樹, 八島 正知, 石原 達己, Sirikanda Nuansaeng
    セッションID: 1B30
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    Gaを添加したPr2NiO4+δ系混合伝導体は極めて高い酸素透過率を示す。この高い酸素透過率は結晶構造内の酸素の拡散と関係があると考えられるが、拡散経路を回折実験により得られる核密度により調べた研究はほとんどない。本研究では熱重量測定および中性子粉末回折実験により酸素の拡散経路と酸素透過性の相関を調べた。熱重量測定の結果からPr2(Ni0.75Cu0.25)0.95Ga0.05O4+δの高い酸素透過率は過剰酸素に関係することが分かった。そして中性子粉末回折データのリートベルト解析により過剰酸素は格子間酸素として存在していることが示された。この格子間酸素が酸素の拡散経路として機能することが示された。
  • Yifeng Wang, Yaoshuai Ba, Ning Wang, Chunlei Wan, Kunihito Koumoto
    セッションID: 1B31
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    Nano-grained thermoelectric ceramics of n-type SrTiO3 were fabricated from a La-doped nanocrystalline SrTiO3 powder. Heat transport properties were examined by analyzing the heat capacity, thermal diffusivities, speed of sound, and the phonon mean free path. Electrical properties including electrical conductivity and Seebeck coefficients were investigated. It was observed that the thermal conductivity was much reduced, while the electrical transport behavior was similar to those of conventional micro-grained ceramics, for which the detailed mechanisms will be report in the presentation.
  • 申 ウソク, 西堀 麻衣子, 松原 一郎, 中久木 孝
    セッションID: 1B32
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    高温大気中のような過酷環境下での熱電計測技術分野での薄膜試料計測を含む新しいニーズに対して、高温仕様の測定用治具構造及び計測評価技術を確立し、高温大気中の環境で薄膜材料の熱電特性を評価する装置及び関連計測技術を開発した。本研究では、Si, SiGe, 酸化物等の様々な高温導電部材をスパッタプロセスで薄膜として作製しその熱電特性を評価した。
  • 福盛 愛, 榮 理奈, 稲田 泰輔, 佐藤 祐喜, 吉門 進三
    セッションID: 1B33
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    現在,電子デバイスを用いた制御回路等の動作電圧は数ボルト程度と低く,用いられるバリスタも低電圧化されている。そこで,ZnO粒径を大きくする方法により低電圧バリスタを作製した。Baのみを添加した場合,ZnO粒成長が促進されることが報告されている。そこでMn-Co添加ZnOバリスタにBi,Baを添加し,添加量や添加物の添加のタイミング等を変化させ,ZnO粒子の粒成長の変化および電気特性へのBa添加効果を明確にすることを目的とした。今までの実験からZnO粒成長にはMn,Ba,Biの粒界での偏析が深く関わっていることが分かっている。Mnの添加量が多い場合ZnO粒子の粒成長が見られなかった。添加したBaはMnと化合物を形成するため,ZnO粒成長を促進させるBiとの共存液相が不足したためと考えられる。
  • 田崎 智子, 多々見 純一, 脇原 徹, 米屋 勝利, 目黒 竹司, 中野 裕美, 北條 純一
    セッションID: 1B34
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    酸化亜鉛は、特異な電気的特性を持ち、バリスタやセンサ、圧電素子などに応用される機能性材料である。バルク体としての電気的特性は、微構造構成要素、すなわち、ZnO粒子や粒界の電気的特性に大きく影響を受ける。したがって、これらの電気的特性を評価することは、優れた特性を有するZnOセラミックスを作製する上で重要な知見となる。本研究では、機械的粒子複合化プロセスで作製したアルミナ添加酸化亜鉛を用いZnOセラミックスを作製し、導電率とキャリア濃度の分布を走査型非線形誘電率顕微鏡を用いて評価した。
  • 日向 秀樹, 近藤 直樹, 長岡 孝明, 北 英紀
    セッションID: 1C17
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    ケイ素にZrO2を添加した成形体を用い、昇温速度を変えることで反応焼結体の作製を試みた。ケイ素のみの場合、0.25℃/min以上の昇温速度では焼結体の表面にケイ素が溶融し、析出してしまい反応焼結を完了することができなかった。一方でZrO2を添加することで昇温速度15℃/minにおいても、溶融し析出したケイ素は確認されず、反応焼結は終了すること明らかとなった。これは、ZrO2の添加によって、ケイ素の窒化が低温より促進される効果によるものであった。
  • 二瓶 祐介, 清野 肇, 嶋田 志郎, 津村 朋樹
    セッションID: 1C18
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    針状窒化チタンを含む窒化ケイ素複合体をホットプレスにて24MPa,1850℃,1時間,N2雰囲気の条件で作製した.針状窒化チタンは水酸化カリウム水溶液中で水熱処理することで針状酸化チタンを作製し,これを窒化することで作製した.作製する際の原料粉末の混合条件が窒化チタン/窒化ケイ素複合体の特性にどのように影響するか調べた.
  • 植村 正明, 多々見 純一, 脇原 徹, 米屋 勝利, 目黒 竹司, 菅井 淳
    セッションID: 1C19
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、ビーズミルで調製した原料Siを用いてポスト反応焼結Si3N4を作製し、その機械的特性に及ぼす原料Siのビーズミルの影響について検討することを目的とした。 原料Siはビーズミルでは1.1µm、ボールミルでは1.8µmとなり、ビーズミルでより微細な粉末を調製できた。同じ窒化温度で比較した場合、多孔体の相対密度はボールミルの方が高い値となったが、緻密体ではビーズミルの方が高い相対密度となった。また、ボールミルではSiが残存していたのに対して、ビーズミルでは窒化はほぼ完了していた。IF法により測定された破壊靱性はボールミルよりもビーズミルのほうが低かったが、ビッカース硬さは高い値となった。ビーズミルにより原料Siを粉砕した場合、1450℃で窒化したものは窒化時に溶融Siが噴出したことに起因して低い曲げ強度となったが、1400℃2hで窒化をさせて作製した緻密体は最も高い曲げ強度を示した。多孔体の内部構造観察の結果、ビーズミルで高い強度が得られたのは、窒化が均一に進行したためであると考察した。
  • 多々見 純一, 根本 裕太, 脇原 徹, 米屋 勝利, 目黒 竹司, 菅井 淳
    セッションID: 1C20
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、ビーズミルで調製した原料Siと焼結助剤としてY2O3、MgO、ZrO2、HfO2を用いてポスト反応焼結Si3N4を作製し、熱伝導率と焼結助剤の相関について検討することを目的とした。窒化後の多孔体の相対密度はボールミルの方がやや高い値となったが、緻密体ではビーズミルの方が高い相対密度となった。構成相同定の結果、窒化後のSi残存量はボールミルよりもビーズミルの方が小さな値であり、ビーズミルでは-Si3N4が比較的多く存在していた。緻密化後の主相はいずれの場合も-Si3N4であったが、ZrO2を添加したものはc-ZrO2、HfO2を添加したものはc-HfO2が存在していた。特に、ボールミルで粉砕してZrO2を添加したものにはZrNも同定された。熱伝導率は、高い相対密度となったビーズミルで作製した焼結体についてのみ測定した。熱伝導率は約60W/mKと比較的高い値が得られ、HfO2を添加して作製した場合にやや高い熱伝導率となった。これは、ビーズミルによる原料Siの微細化に起因したSi3N4セラミックスの緻密化とHfO2による酸素のトラップに起因するものと考えられる。
  • 大橋 秀峰, 橋本 忍, 本多 沢雄, 岩本 雄二, 平尾 喜代司, 日向 秀樹
    セッションID: 1C21
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    炭化ケイ素は様々な工業用部材として利用されている重要な材料である。既存の工業的合成法としてアチソン法がある。この方法は安価で大量に合成できるが合成に時間がかかり、微粉末を得るためには粉砕を必要とする。このような背景のもと、我々の研究グループでは、炭化ケイ素を短時間で合成することを目的に、マイクロ波加熱を用いてシリカの熱炭素還元による炭化ケイ素の合成を行っている。過去の同様な研究は、D. Chanbon らによる研究がある。しかしながらマイクロ波加熱による炭化ケイ素の生成機構の解明に向けての系統的な検討は行われていない。そこで、本研究では種々の条件で実験を行い、マイクロ波加熱による炭化ケイ素の生成機構について考察した。
  • 関根 圭人, 日向 秀樹, 平尾 喜代司
    セッションID: 1C22
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    固相焼結SiC及び反応焼結SiCセラミックスのマイクロ波発熱特性の調査を行った.周波数2.45GHz,最大6kW出力のマルチモードマイクロ波加熱装置を用いて試料を加熱し,それぞれの昇温曲線を比較した.その結果,固相焼結SiCは反応焼結SiCよりも昇温速度が大きく,最高到達温度が高かった.
  • 平賀 啓二郎, 金 炳男, 森田 孝治, 吉田 英弘, 田淵 正明
    セッションID: 1C23
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    高純度の無添加Y-TZPを対象に超塑性引張特性と破断挙動を初期粒径、密度およびひずみ速度の関数として検討した。その結果、高純度3Y-TZPは無添加状態であっても、特定の粒径・焼結密度・変形温度の組み合わせの下では高速超塑性を示すことが見出された。また、高速超塑性変形の末期には粒径を越えて成長した損傷が連結して微小き裂となり、これらが応力軸と垂直方向に成長して破断に至ることが認められた。以上の結果について、微視き裂形成に至る過程に着目して考察を加えた.
  • 安田 公一, 岡本 拓, 塩田 忠
    セッションID: 1C24
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    超塑性変形下におけるTZPセラミックス中の粒子の流跡線について以前報告したので,本発表では,そのデータをランダムウォーク理論に基づいて解析した.個々の粒子の流跡線を,ドリフト成分とランダムウォーク成分に分解した.このとき,ドリフト成分は,実験で得られた応力/ひずみデータを用いて有限要素法によって求めたものを使った.分解した結果,ランダムウォーク成分は,真塑性ひずみで15_%_になるまで大きく変動したが,15_%_以降は一定値に収束した.この結果から,周囲の粒子による拘束が,真塑性ひずみ15_%_以降で,空間的にも,時間的にも均一化していることが予測された.
  • 高橋 啓太, 古嶋 亮一, 加藤 善二, 田中 諭, 植松 敬三
    セッションID: 1C26
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    エンジニアリングセラミックスは極限環境下での構造部材への適用が期待されてきた。現在、実験室レベルでの信頼性は向上されつつあるが、実用部材では、いまだに信頼性は低い。その原因の一つとして、使用中の磨耗等による表面損傷が強度を低下させることが考えられる。本研究では磨耗等によるき裂が破壊源にならなければ、強度維持が可能であると着想し、表面に凹凸形態を予め付加させることで、磨耗損傷による強度低下を防ぐことを試みた。試験片表面の凸部にき裂が発生しても、引張り応力が作用しないため、強度低下を防げるはずである。
  • 熊澤 猛, 関根 圭人, 山田 昌義, 田邊 靖博
    セッションID: 1C27
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    常圧焼結炭化ホウ素セラミックスの衝撃損傷について、平板(15mm×15mm)と球(直径4mm)の飛翔体を用いて評価を行った。炭化ホウ素セラミックスで計測された発生圧力は市販のセラミックスよりも低い値を示した。この結果は常圧焼結炭化ホウ素セラミックスは飛翔体の運動エネルギーを衝撃負荷により形成される小さな破片の運動エネルギーに変換されやすい材料であることが示唆された。
  • 荻原 俊夫, 野田 佳雅, 木村 修
    セッションID: 1C28
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    反応性の高い粒径が0.2 μm以下,純度99.9%以上の非晶質 シリカ(関東化学),α-アルミナ(タイミクロン,大明化学TM-DAR) および炭酸リチウム(添川理化学)をユ-クリプタイトの組成にな るように混合し,通常のセラミックス合成法によって,β-ユ-ク リプタイトの合成を行った.その結果,950℃において,β-ユ-ク リプタイトが単相として得られた.そこで900℃で仮焼し,平均0.3 μm まで微粉砕した粉末を30MPa で一軸成型し,200MPa でCIP 成型を行なった後,1090℃で2時間焼成して焼結体を得た.また, この仮焼試料に添加剤としてLi2O-GeO2 (mass ratio 1:1) flux を3%加 えた試料を同様に成形し,1020℃で2時間焼成した焼結体を作製し た.これらの焼結体の機械的及び電気的特性を測定した. 焼結体の相対密度は flux を加えない試料で92%,加えた試料では99%に達した. 曲げ強度は,それぞれ103MPa,214MPa と報告されている値より も大きな値を示した.膨張係数の値は従来報告されている負の値と は異なり,格子定数の温度変化から求められた値と同程度の極めて 小さい値であった.また,誘電率もアルミナ(=8∼10)よりも十分低い5.5 とコーディエライトの値(=4.8)とほぼ等しい結果が得られた.
  • 村井 啓一郎, 二宮 一平, 枝廣 智希, 森賀 俊広
    セッションID: 1C29
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    近年,半導体デバイスや光学装置は高密度大容量化に伴う各種位置制御の高精密化において熱膨張課題が深刻化している。そこで現在一般的には,正の熱膨張材料に負の熱膨張材料を混合焼結することにより,ゼロ熱膨張材料の合成が行われている。しかし手間やコストを考えると,単一相のゼロ熱膨張材料の開発が望まれる。我々は,負の熱膨張材料の一つとして広く研究されているタングステン酸ジルコニウムをベースとして,Tiを固溶させた単一相固溶体Zr1-xTixW2O8(x=0~0.05)の作製を試み,熱特性を評価し,単一物質のゼロ熱膨張材料の開発を目指した。 いずれの組成の試料も1100ºCで仮焼き急冷した後,1150ºCで本焼き急冷を行うことにより単一相が得られた。 熱膨張係数は(1/V0)(dV/dT)で見積もられ,その結果いずれの試料も負の熱膨張係数を取ることが明らかとなった。中でも特にx = 0.04の試料においては-2.17×10-6/K-1と見積もられ,ZrW2O8 の文献値(-4×10-6/K-1) よりもゼロに近い値をとることが明らかとなった。
  • 松村 功徳, 中田 幸宏, 香川 豊
    セッションID: 1C30
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    熱輻射エネルギーは光の吸収と放射を通して熱伝導エネルギーと変換されることから、高温環境において材料の色は伝熱過程を決める重要な要素となる。多結晶の酸化物セラミックスは一般的に白色の外観を呈している。酸化物セラミックスの色を変化すれば、材料の熱輻射エネルギーを制御することができる可能性がある。本研究では、ジルコニアセラミックスの色を変化させ、光学的に黒色(ブラック)の色に着目し熱輻射特性を調べることにより、ジルコニアセラミックスの色による熱制御の可能性を検討することを目的とした。
  • ロラス ドロクサリブ, 松村 功徳, 香川 豊
    セッションID: 1C31
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
     熱伝導による伝熱は拡散的な現象であるため、その方向を制御することは困難である。一方、熱輻射エネルギーは電磁波の性質を持つため、材料構造との相互作用を利用すれば伝熱方向を制御できる可能性がある。しかし、熱輻射エネルギーは可視から赤外を中心とした広い波長範囲における電磁波であるため、屈折や散乱等の波長依存性の高い相互作用を利用して輻射を制御することには限界がある。黒色材料による光吸収は波長依存性の少ない現象であり、吸収と放射を通して熱エネルギーのやり取りを行うことができる。このため、吸収材料と光透過性材料からなる周期構造を用いれば、光の吸収と再放射を基本メカニズムとした熱エネルギーの伝熱制御に利用できる可能性がある。本研究では、WC繊維と透光性Al2O3マトリックスからなる複合構造を表面に有する材料を作製し、熱輻射特性の評価を行った。
  • 佐野 秀明, 鄭 国斌, 内山 休男
    セッションID: 1C32
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    熱重量天秤(TG)に非分散型赤外式CO-CO2ガス分析装置および2台の限界電流型ジルコニア式酸素センサーを設置した熱重量天秤-ガス収支分析により、C/B4C/SiC複合材の酸化挙動を評価し、炭素基材中に分散したB4CおよびSiC粒子の酸化挙動を詳しく調べた。その結果、炭素基材中のB4CおよびSiCの酸化量を見積もることができ、ガラスの生成で消費された酸素量は、SiCの粒径が20nmと小さい場合最も高く、複合材の酸化挙動が、炭素基材中のB4CおよびSiCの酸化で生成したガラス量に依存することが判った。また、各種元素分析の結果を考慮すると、炭素基材中のB4CおよびSiCの酸化は、これら粒子の表面近傍で生じ、試料の比較的内部まで粒子の酸化が進行していると考えられる。
  • 中村 和正, 師岡 弘樹, 新藤 斎, 田邊 靖博, 赤津 隆, 安田 榮一
    セッションID: 1C33
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/05
    会議録・要旨集 フリー
    ガラス状炭素(Glass-Like Carbon: GLC)は、耐腐食性・耐酸化性に優れているため、酸水溶液存在下のような過酷な条件下で使用されることが多い。以前に我々は、GLCを高温の酸に長時間晒すことにより酸化減量が起こったことを報告した。本研究ではGLCの濃硫酸・濃硝酸・過酸化水素水による酸化・腐食における重量減少や表面組織の変化を表面官能基の解析と関連付けて詳細に調べた。各産に対し、70oCで0.5~7日間浸漬した。浸漬後、供試体を洗浄・乾燥し、分析を行った。処理前後での重量変化を測定した後、表面組織変化はSEM、表面官能基の同定は、XPSを使用し行った。硫酸・硝酸・過酸化水素水ともに重量変化や組織変化については、その種類により差異が見られた。この差異を官能基の変化に関連付けて考察した。
feedback
Top