抄録
当研究室では、イミダゾールとリン酸亜鉛ガラスの反応を利用し、200 ℃付近まで熱的に安定で、10-3 S/cm程度の電導度を示すハイブリッド材料を作製した。ただし、電導度の向上、膜化技術の開発が課題であり、我々はその改善策のひとつとして、リン酸ジルコニウムナノ粒子の導入を試みた。リン酸ジルコニウムはその表面でのプロトン伝導が支配的であり、微粒子化することで良好なプロトンドナーとなることが期待される。本研究では、比表面積が大きく、高いプロトン伝導性を示すリン酸ジルコニウムナノ粒子をハイブリッド材料に分散したプロトン伝導体を作製し、評価した。