日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2010年年会講演予稿集
セッションID: 1G27
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作製方法の異なるソーダライムガラス原料の溶融挙動の直接観察
*森島 大樹田口 潤矢野 哲司柴田 修一
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抄録
 ガラス製造において、原料調製方法は溶解/清澄挙動に大きく影響を与える。通常の素原料混合バッチ(バッチ原料)と、一つ一つが溶融後に目的の組成のガラスとなるように素原料スラリーからスプレードライ法で調製されたスプレードライ造粒体では、溶融時の均質化の進行などガラスの物性に大きな影響を与えることが報告されている。これは、スプレー ドライ造粒体の調製上の特徴によるもので、溶融挙動がバッチ原料と比較して大きく異なるた めと考えられている。本報告では、2 種類の原料の溶融挙動について高温状態の直接観察を行い、 泡層の形成と清澄について評価した。  実験では溶融後に目的の組成のソーダライムガラスとなるようなバッチ原料とスプレードライ造粒体を用意した。2 種類の原料をシリカガラスルツボに投入した。ルツボは、観察窓を備え内部を観察することが可能な観察炉に設置し、1400°Cに昇温保持した。観察窓は溶融炉の上面と側面に取り付けられており、ルツボ内の原料の溶融挙動の直接観察をビデオカメラにより二方向から行い、評価を行った。  造粒体とバッチ原料の溶融観察結果から造粒体は通常のバッチ原料に比較して均質に反応が進行し、より速くバッチフリーの状態に至った。それらの過程では特に泡層の形成に関して大きな違いが見られた。スプレードラ イ造粒体の融液は通常バッチ原料に比べ約 3 倍の高さの泡層を形成し、バッチ原料の融液面と同じ高さになるまでに約 40 分の時間を要した。今研究では、原料で生じる反応の違いの観点から、溶融挙動観察結果を考察する。
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©  日本セラミックス協会 2010
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