抄録
銀微粒子をはじめとする金属微粒子は、バルクにはない特徴的な光学特性を持つことから注目を集めており、その代表的なものが伝導電子が光と相互作用を起こす局在表面プラズモン共鳴(LSPR)である。LSPR は微粒子の形状に依存するため、異方性のある粒子は入射光の偏光状態に敏感に反応する。これを利用して、LSPR 波長において複屈折や光学活性を示す材料を作製することが可能である。我々は以前、銀微粒子を析出させたテルライトガラスにおいて、微粒子が球状であるにもかかわらずLSPR 波長領域で複屈折が発現する現象を報告した。今回はこの現象の発現機構として、ガラス中にわずかに生じた複屈折がLSPR により増幅されていることを示唆する結果が得られたので報告する