抄録
溶液法におけるチタン系機能性材料の合成ではTi4+の加水分解能が高いため、酸性水溶液または水を含まない有機溶媒中でTi原料を用いる必要があったが、これらは毒性、引火性などの難点があった。そこで我々は錯形成剤として乳酸、りんご酸、酒石酸、サリチル酸を用い、水を溶媒に用いた低環境負荷で安定な水溶性チタン錯体を合成した。これら錯体溶液を石英基板上にコーティングし、600oC, 1時間で焼成しTiO2薄膜を作製した。作製したTiO2薄膜の表面微細構造はそれぞれ異なっており、錯形成剤を変えることで表面の形態制御を可能にした。さらに光触媒活性は各錯形成剤用いて作製したTiO2薄膜でそれぞれ異なっていた。