日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2010年年会講演予稿集
セッションID: 2C04
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NITE-SiC/SiC複合材料を用いた中間熱交換器作製のための接合技術開発
*檜木 達也朴 二玄小西 哲之
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抄録
従来の金属材料では不可能であった600℃以上最高900℃超で使用可能な高温強度特性と優れた気密性、耐食性等から、NITE-SiC/SiC複合材料を用いることにより、多様な熱媒体に対応しうる革新的原子力用コンパクト熱交換器(IHX)の開発ができるものと期待されている。IHXには、熱媒体のための流路が必要なため、材料の加工、複雑形状にも対応する接合技術開発が必要である。本研究では、流路形成を施した複雑形状を持つNITE-SiC/SiC複合材料に対する接合技術開発を目的とし、接合方法、接合条件の検討を行い、10cm角で3段の流路を持つIHXスケールモデルを作製した。 機械加工により流路形成を行ったSiC材料に対して、焼結助材を含むSiCの高粘度スラリーシートを間に入れ、最高温度1850℃で1時間保持し、15MPa以下のホットプレス法により接合を行った。予備試験には、ヘキサロイSAとNITE-SiC/SiC複合材料を用い、スケールモデルの作製にはパイプも含めてNITE-SiC/SiC複合材料を用いた。接合後は断面をビデオマイクロスコープ、SEMで観察し、接合層組織、流路形状等の評価を行った。 15MPaでは顕著な流路のクリープ変形が見られた。昇温、昇圧、冷却等のホットプレス条件を調整しクリープ変形の抑制を行った。予備試験において、平面全体にスラリーシートを被せ、流路面と接合を行った場合、変形したシートが流路に押し出されたが、スラリーシートの変形による接合層の流路への流出を防ぎ、接合時の位置精度を向上させるためのはめ込み構造の採用、スラリーシートの粘度調整等により改善を行った。これらの技術を統合し、3層の流路を含む10cm角のSiC/SiC複合材料5枚を同時に接合し、スケールモデルの作製に成功した(Fig.1)。SiC/SiC複合材料のパイプはねじで接合した。 本報告の内容は、特別会計に関する法律(エネルギー対策特別会計)に基づく文部科学省からの受託事業として、国立大学法人京都大学が実施した平成20年度「先進複合材コンパクト中間熱交換器の技術開発」の成果です。
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©  日本セラミックス協会 2010
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