抄録
廃熱回収発電に応用が期待されるSi-Ge合金の熱電特性を向上させるため、常重力および微小重力環境中での一方向凝固を用いてSi-Ge合金試料を作製した。落下塔は高さ2mで、0.5秒間の微小重力環境が得られる。常重力環境下で得られた試料は強く配向した円柱状組織が冷却面に対して垂直方向に伸び、その結果、試料は電気伝導異方性を示し、垂直方向の電気伝導率は平行方向よりも高くなった。一方、ゼーベック係数では顕著な異方性は見られなかった。n型試料の無次元性能指数ZTはZT=0.7を超え、Si-Ge焼結体と同等の熱電特性が得られた。金属組織制御は熱電材料の熱電特性を向上させる手段として有効と考えられる。