抄録
酸性水溶液中におけるSiCナノ粒子の分散性を制御するために、疎水基を修飾したポリエチレンイミン(Toluoyl-PEI)を新しい分散剤として合成した。疎水基比がSiC水系サスペンジョンの安定性に及ぼす影響を粘度計とコロイドプローブAFM法によって評価した。未修飾ポリエチレンイミン(MW 1800)を分散剤として用いた場合、SiCスラリーのみかけ粘度は、分散剤未添加系に比べて減少しなかった。しかし、Toluoyl-PEIを添加したとき、SiCスラリーのみかけ粘度はToluoyl-PEIの疎水基比が増加するにつれて減少した。SiCナノ粒子間のフォースカーブ測定より、反発力の増加がSiC水系サスペンジョンの粘度低下に重要な役割を果たしていると期待される。