主催: 公益社団法人日本セラミックス協会
現在までに、各種Mechanical Alloying(MA)条件を検討することで、積層無秩序構造を有するSiC(SD-SiC)粉末作製のMA時間を24時間から2 時間へ短縮している。本研究では、MA 条件を変化させ、ボール運動に起因する消費電力(PE)を測定し、これと、衝突モデルより算出したボールから粉末へ投入可能なエネルギー(P)と比較し、SD-SiC 合成との関係を議論した。PEはポット中でボールが運動することによって消費される電力であり、ボールの運動エネルギーのみが系に投入されるため、理想的な条件下ではPE≈Pと考えられる。PとPEおよびSiC反応度に注目することで、MA中のエネルギー伝達効率について議論可能となる。その結果、公転速度400rpm、自転公転比-1.18、ボール充填率15%の時にもっとも効率的にエネルギーが試料に投入されていることが示された。