抄録
水溶液プロセスにより作製された、有機酸を含むハフニア薄膜は、用いる有機酸により、興味深い表面機能を発現する。それらについて報告する。
最も簡単な構造の有機酸であるギ酸を含むハフニア薄膜は、水に対する接触角が約90°であり、撥水性を示す。CH3基を持つ酢酸を含むハフニア薄膜では、撥水性はギ酸を含む薄膜と同等であるが、水滴がより滑落しやすく滑水性が良好である。
それに対して、水酸基とカルボキシ基を持つグリコール酸を含むハフニア薄膜は、撥水性を示すが、上の有機酸とは異なり、良好な水滴付着性を示す。これは、平坦面でPetal Effect を示す最初の例である。この薄膜は乾燥地域における集水膜として応用可能と考えられる。