抄録
ケイ素アルコキシドは従来水に溶解することができず,水溶媒を用いた加水分解・縮合反応は水/ケイ素アルコキシドのエマルション系での反応に限られていた。しかし,WSS(水溶性ケイ素化合物)の開発によって水溶媒中での均一溶液系での加水分解・縮合反応が可能となった。これにより,ケイ素アルコキシドの加水分解・縮合反応における新たな合成プロセスへの展開が期待される。本研究ではWSSの加水分解・縮合反応により,シリカナノ粒子を合成した。WSSは塩基性条件下で加水分解し,シリカゾルを生成した。シリカゾルは,蒸発により乾燥され,得られたシリカ粒子は焼成された。シリカ粒子の大きさは10から20nmの範囲となった。また,シリカ粒子は凝集していた。