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原田 耕一
セッションID: 1A17F
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
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眞岩 宏司, キム スンヒュン
セッションID: 1A19
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
PMN-PNN-PZTの電気熱量特性と焦電特性について検討した。薄膜は化学溶液法により作製された。断熱変化ΔTは250℃の時500kV/cmの電界下で3.8Kと計算された。焦電効果を利用したエナジーハーベストの可能性についても報告する。
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佐藤 幸生, 平山 司, 幾原 雄一
セッションID: 1A20
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
高い圧電特性を示すことで知られるPb(Mg
1/3Nb
2/3)O
3-PbTiO
3 (PMN-PT)の単結晶について、そのドメイン構造の電界印可に対する応答を調べるため、その場透過型電子顕微鏡(TEM)観察を行った。TEM明視野像および暗視野像から、MPB近傍の組成を有するPMN-PT単結晶ではドメイン構造が微細化されており、ナノスケールのドメイン構造とミクロンスケールのドメイン構造が共存していることが分かった。
TEM内で電界を印可すると、ある一定以上の電界の印可によりドメイン構造が応答することが分かった。ナノスケールのドメインウォールはその方位を変化させ、ミクロンスケールのドメインウォールは移動、もしくは消失する傾向にあった。これらのドメイン構造の変化は瞬時に起こり、また、電界の印可・開放に関してほぼ可逆的な変化であった。
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森 茂生, 久留島 康輔
セッションID: 1A21
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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リラクサー誘電体は優れた誘電・圧電特性をしめすことから近年盛んに基礎的および応用的研究が行われている。しかしながら、リラクサー誘電体の示す諸特性の起源については系の「不均質性」が重要である理解されているが、リラクサー特性を統合的に説明するモデルはまだ確立されていない。本研究では、典型的なリラクサー誘電体Pb(Mg1/3Nb2/3)O3(PMN)[1]と強誘電体PbTiO3(PT)の固溶体PMN-PTの相境界近傍組成におけるドメイン構造および局所構造について、電子回折法、高分解能電子顕微鏡法および走査透過型電子顕微鏡法を用いて調べた。
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藤井 一郎, 三井 龍太, 中島 光一, 熊田 伸弘, 和田 智志
セッションID: 1A22
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
環境への配慮から、鉛を含まない圧電材料が求められている。これまでに我々はBaTiO
3-Bi(Mg
1/2Ti
1/2)O
3 (BT-BMT)セラミックスを作製し、キュリー温度は比較的高いものの、圧電特性は小さいことを報告した。これはこの材料がリラクサー特性を示すためだと考えられる。そこで本研究では、単体でペロブスカイト構造が安定な強誘電体BiFeO
3(BFO)を加えたBT-BMT-BFO セラミックスを作製し、圧電特性の向上を目的とした。リーク電流低減のためMnを加えた試料も作製し、分極した後、圧電特性を調査した。
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三井 龍太, 藤井 一郎, 中島 光一, 熊田 伸弘, 和田 智志, 島田 幹夫, 林 潤平, 薮田 久人, 渡邉 隆之, 久保田 純, 福 ...
セッションID: 1A23
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
Pb(Zr,Ti)O
3 (PZT)セラミックスは優れた圧電材料で、電子部品に幅広く使用されている。しかし、PZTは鉛を含んでいるため、環境問題の観点からPZTに代わる高性能な鉛フリー圧電材料の開発が急務である。鉛系についてPb(Mg
1/3Nb
2/3)O
3-PbTiO
3 (PMN-PT)、 Pb(Zn
1/3Nb
2/3)O
3-PbTiO
3 (PZN-PT)が示す巨大な圧電特性の要因の一つとしてリラクサ―が持つ微小分極領域 polar nanoregion (PNR)と強誘電体がもつ分極領域 (ドメイン)が挙げられ、これらが干渉し合い生成されたPNRと強誘電体のドメインの中間のサイズをもった特殊なドメイン(ナノドメインと呼称)に影響していると考えている。そこで、本研究では非鉛系においてリラクサ―であるBaTiO
3-Bi(Mg
1/2Ti
1/2)O
3 (BT-BMT)と代表的な強誘電体であるBiFeO
3 (BFO)を固溶させたBT-BMT-BFO固溶体セラミックスの作製およびナノドメインを持たせることを目的とし、圧電特性とナノドメインの関係について検討を行った。
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木越 陽一, 八田 彩希, 保科 拓也, 武田 博明, 鶴見 敬章
セッションID: 1A24
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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二段階焼成法は低温で高密度の焼結体の作製が可能なプロセスであることから,微細な粒径の焼結体の作製に応用が期待される.本研究では,BaTiO
3セラミックスの収縮挙動から,二段階焼成時の焼結メカニズムを明らかにすることを目的とした.焼成中に収縮率を測定するための装置を作製し,様々な昇温速度で焼成したときに得られる収縮曲線を解析し,昇温速度や温度が収縮や粒径にどう影響するかを検討した.その結果,二段階焼成法の1st stepでは初期粒径が決定されるとともに粒再配列によって密度が向上し,一方,2nd stepでは粒界拡散がさらなる密度の向上を引き起こすことが分かった.
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八田 彩希, 保科 拓也, 武田 博明, 鶴見 敬章
セッションID: 1A25
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
本研究では粒径1 µm以下のBTセラミックスを作製し、ドメイン構造と粒界が誘電・圧電特性にどのような影響を及ぼしているか明らかにすることを目的とした。従来法と2段階焼結法を利用して様々な温度で焼成を行い粒径0.6 µm~35 µmの高密度なセラミックスを作製した。150℃における誘電特性に着目すると、粒径1 µm 以上では誘電率がほぼ一定であるが1 µm 以下になると著しく誘電率が低下することがわかった。また電界誘起相転移を利用して分極処理を行った試料の圧電特性を測定した結果、キュリー点直上で分極処理を施した試料はどの粒径においても圧電特性が大きくなることがわかった。これらの結果から、ドメイン構造は誘電・圧電特性の増加に寄与するが粒界は特性減少に作用することがわかった。
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前田 和樹, 清水 茂仁, 山下 健太, 藤井 一郎, 中島 光一, 和田 智志, 鈴木 達, 黒岩 芳弘
セッションID: 1A27
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
現在、応力センサとして、チタン酸ジルコニア鉛(PZT)が使われているが、社会から鉛フリーで高性能、かつ軽量化されたセンサが求められている。そのため、重量(密度)あたりのセンサ性能(圧電g33定数)を向上させる必要がある。そこで、強誘電体の中で最も密度(ρ)が小さく、キュリー温度(Tc)が430℃と高いニオブ酸カリウム(KNbO3, KN)に着目をした。また、これまでカーボンブラック(CB)、チタン酸バリウム(BaTiO3,BT)を用いたKNの多孔質化の研究が報告されているが、大気中の焼結では気孔率が30%までしか制御されておらず、さらなる改良が必要であった。そこで、本研究ではスパークプラズマ焼結法(SPS法)を用いて、気孔率の上昇およびg33のさらなる向上を目的とし、KN多孔体セラミックスの作製について検討を行った。
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舘 翔平, 柿本 健一, 籠宮 功
セッションID: 1A28
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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Li
0.06(Na
0.50K
0.50)NbO
3 (LNKN06)は高いキュリー温度(
TC=465
oC)を有し、比較的広い温度範囲(~350
oC)まで良好な圧電特性を示す。この優れた圧電特性は、室温付近に存在する正方晶 - 斜方晶相境界の存在だけでなく、結晶中の内部応力と関連している可能性を報告してきた。本研究では、LNKN06をp、t、31、および33振動モードの規格形状にそれぞれ加工し、形状が異なる試験片の圧電特性の温度依存性を評価した。LNKN06セラミックスの周波数定数Np、Nt、N31およびN31はそれぞれ21、9、0および-5
oCで極小値を示した。示差熱(DSC)測定から決定した相転移温度は15
oCであり、上記のどの温度にも一致しない。一方、周波数定数とその極小値温度には、ほぼ比例関係が存在することを確認した。
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松堂 人士, 柿本 健一, 籠宮 功
セッションID: 1A29
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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ニオブ系無鉛圧電セラミックスはキュリー温度が400
oC以上と高く、比較的優れた圧電性を示す。しかしニオブ系は、焼成中にアルカリおよび酸素欠陥が生じやすく、圧電性および絶縁性が劣化しやすい問題がある。本研究ではニオブ系の電気伝導性および分極試料の脱分極挙動を評価し、セラミックス内部の欠陥構造を推定した。
分極したニオブ系を加熱した場合、相転移温度近傍における焦電流に加え、酸素欠陥の熱緩和に起因するブロードな脱分極電流が発生し、分極処理によってセラミックス内部の欠陥分布が変化することが示唆される。この温度上昇に伴う急激な酸素欠陥の熱緩和挙動はMn添加によってその開始温度が約100
oC低温にシフトすることが明らかとなった。
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木村 匠, 田中 諭, 古嶋 亮一, 植松 敬三, 清水 寛之, 土信田 豊
セッションID: 1A30
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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チタン酸ビスマス(BiT)粒子を高磁場成形法で配向させると、BiT配向成形体を得ることができる。BiTのほかにMTiO3(M =Ca, Sr , Ba)等の物質と混合したスラリーを用いると、配向BiT複合成形体を作製でき、これを焼結させると反応焼結がおこり、BiT粒子の配向構造が維持されたまま別のa,b軸配向ビスマス層状化合物を得ることができる。本方法では、BiTの粒子径1ミクロン程度で、反応させる二次相の粒径はそれ以下であるため、高密度な配向体を得られるメリットがある。本研究では、BiTを配向母材として、新たに複合酸化物(チタン酸ナトリウム)と反応させて、a軸配向チタン酸ビスマスナトリウムを作製することを目的とした。
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能村 庸司, 佐藤 茂樹, 晝間 裕二, 永田 肇, 竹中 正
セッションID: 1A31
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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現在、工業製品などで用いられている圧電素子の大部分には、Pb(Zr,Ti)O3(PZT)が用いられており、これらに含まれている鉛による環境汚染が懸念されている。そのため近年では、環境への負荷が少ない非鉛圧電セラミックスの研究が盛んに行われている。その中で我々は圧電ハイパワー応用に注目し、候補材料としてビスマス層状構造強誘電体(BLSF)を選んだ。 BLSF系セラミックスは、PZTなどのペロブスカイト系圧電材料と比較すると圧電歪み定数は小さいが、機械的品質係数Qmが非常に大きいため(>1000)、振動速度などの圧電ハイパワー特性が優れているのではないかと期待できる。そこで本研究では、BLSFの中でも比較的Qmが大きいBi4Ti3O12-SrBi4Ti4O15+MnCO3 0.2 wt%(BIT-SBTi + Mn 0.2 wt%)系混合ビスマス層状構造強誘電体に注目し,そのハイパワー圧電特性を調べた。
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北中 佑樹, 野口 祐二, 宮山 勝
セッションID: 1A32
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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チタン酸ビスマス(BiT)を始めとするBi系強誘電体において、基礎物性の解明や圧電・光学デバイスへの応用には、分極反転が容易な高品質単結晶の育成が求められる。本研究では、高酸素分圧下(0.9 MPa)での溶液引き上げ法(TSSG法)によって、欠陥濃度の小さい高品質BiT単結晶を育成した。得られたBiT単結晶の電界誘起歪みを測定したところ、明瞭なバタフライループが得られた。BiTの分極方向において、歪み曲線から見積もられた圧電定数は37 pm/Vであった。高圧酸素下TSSG法によって、圧電特性評価が可能なサイズを持つ高品質結晶が得られ、初めて共振・反共振法によるBiT単結晶の圧電特性評価に成功し、決定された電気機械結合定数k11は37 %であった。
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萩原 学, 保科 拓也, 武田 博明, 鶴見 敬章
セッションID: 1A33
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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圧電セラミックスのハイパワー応用においては非線形応答と損失が大きな問題となるが、それらを扱う理論は未だ確立されていない。我々は分極と歪を結ぶ定数である圧電e定数とg定数が非線形成分や複素成分(損失)を持たない本質的な定数であるという仮定を基に、非線形性と損失に関する理論の構築を試みてきた。本研究では、ソフトおよびハードPZTセラミックスから作製した長辺方向伸び振動子のインピーダンスおよび変位曲線を我々の理論に基づいて解析した。得られた結果を既往の理論による結果と比較したところ、ソフトおよびハードPZTのどちらにおいても圧電g定数が複素成分をもたないことを示唆する結果が得られ、我々の理論の妥当性が確かめられた。
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千澤 卓, 松堂 人士, 柿本 健一, 籠宮 功
セッションID: 1A34
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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環境振動を変換する圧電発電トランスデューサが注目されている。高変換効率を得るためには、振動周波数や振動速度に応じて形状や大きさを変化させたデバイスを設計する必要がある。本研究では形状の異なる圧電デバイスに振動を加えた際に生じるひずみや発生電圧を有限要素法(FEM)により計算した。さらに、デバイスを作製し、振動印加による発生電圧を測定した。デバイスは矩形状の金属板に圧電体を接着したI字形の片持はり構造およびクランクした金属板に圧電体を接着したL字型の片持はり構造とした。デバイスの固定端に振動を加えた際に生じるひずみはI字型の片持はりに比べ、L字型片持はりは広範囲に比較的均一に生じることを確認した。
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吉村 知浩, 保科 拓也, 武田 博明, 鶴見 敬章
セッションID: 1A35
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
圧電セラミックスを用いて矩形板状振動子と角柱状振動子を作製した。共振周波数近傍のインピーダンスと長辺方向伸び振動と縦振動との振動速度を測定した。横効果および縦効果の振動における反電界効果の解析により、定電圧駆動における縦効果の歪の理論式を導いた。振動子の長辺方向だけでなく、短辺方向の振動も考慮して歪の式を計算することで、長辺方向の歪の反共振周波数のシフトや一次共振周波数近傍における短辺方向の歪の極大や極小を表現できた。これにより長辺方向と短辺方向のそれぞれが寄与する振動を分離することが可能になった。最小二乗フィッティングを行うことで圧電特性の評価を行なった。
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佐藤 治道, 明渡 純
セッションID: 1A36
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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半導体製造装置用の超音波流量計を開発するため、流体を満たしたパイプを伝搬するガイド波の解析を行った。周波数を適切に設定することにより従来より高精度な流量計を設計できることが示された。
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溝口 照康
セッションID: 1B17A
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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筆者はこれまでに第一原理計算とナノ計測を複合利用し,セラミックス材料の機能設計指針を確立することを目的として研究を行ってきた.本発表では『ELNES/XANES理論計算法の確立とセラミックス材料への応用』および『第一原理計算とナノ計測を用いた結晶界面における現象の理解』に関して,筆者がこれまで行ってきた研究を紹介する.
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森分 博紀, 田治 一晃, 吉田 芙美子, 森吉 千佳子, 黒岩 芳弘
セッションID: 1B19
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
ペロブスカイト型PbTiO
3は室温にてP4mm構造をとり,大きなc/a比(c/a=1.06)により大きな自発分極を発現し,PZTなどの強誘電体材料の端成分として広く用いられている.PZTの大きな圧電性の原因については,MPB付近での低対称性相の存在による分極回転など諸説あり未だ完全には解明されていないが,端成分であるPbTiO
3の大きな自発分極が重要な役割を担っていると考えられている.PZTを超える圧電材料の開発のためには,より大きなc/a比を有する物質の創製が有効であると考えられている.近年このPbTiO
3にBiFeO
3を固溶させることにより,巨大なc/a比(c/a=1.19)が実現することが報告されている.本研究では,この巨大なc/a比のメカニズムの解明を目的として第一原理計算による解析を実施した.
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相見 晃久, 森 大輔, 開 康一, 高橋 利宏, 稲熊 宜之, 勝又 哲裕, 符 徳勝, 伊藤 満, 京免 徹
セッションID: 1B20
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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LiNbO
3型MnMO
3 (M = Ti, Sn)を合成し、その構造、比熱、磁性および誘電性を調べた。放射光X線回折のリートベルト法による構造解析の結果、MnTiO
3とMnSnO
3はそれぞれ69 μC/cm
2と55 μC/cm
2という非常に大きい自発分極を持つことが分かった。誘電性と磁性と比熱を測定した結果、同じ温度で異常が見られた。そのことから、これら物質で、磁性と誘電性の間に相関があることが分かった。
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武田 篤, 中西 伸次, 小林 亮太, 大石 克嘉, Sian E Dutton, Peter D Battle
セッションID: 1B21
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
我々は固相法を用いて、La
xNd
18-xLi
8Fe
5O
39(x=0, 9, 12, 18)を合成し、XRD測定、Rietveld法による構造解析、並びに直流、交流の磁気測定を行った。XRDによる相同定において、いずれの組成においてもほぼ単一の試料が得られた。磁気測定において、磁化率の温度依存性はLaのドープ量の増加に伴い、スピングラス転移温度が低下していくことを示した。また、La
12Nd
6Li
8Fe
5O
39では7.8 K付近においてLa
18Li
8Fe
5O
39で観測された弱強磁性のような磁気転移も観測された。
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阿部 孝之, 柳田 さやか, 安盛 敦雄
セッションID: 1B22
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
酸化物磁性半導体は、高周波磁場中での発熱素子としても注目されている。酸化物磁性半導体の高周波磁場中での発熱はヒステリシス損と渦電流損によるものであり、小さい磁場中で発熱を得るためには、高磁化・低保磁力と電気伝導性の制御が求められる。本研究では、高磁化・低保磁力が期待されるFe
3O
4-MnO
2-ZnO-SiO
2系結晶化ガラスの磁気・電気特性を調査するとともに、その融液をアルミナ管に吸引することで、一定形状かつ高強度のワイヤ状試料を作製し、発熱特性に関する調査を行った。その結果、spinel相フェライトの析出と磁化曲線から、強磁性相の生成が確認され、MnO
2とZnOの両方が含まれる組成の試料で、比較的高い磁化と保磁力の低下、電気伝導度の増加、高い発熱特性を示した。
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林 祐介, 籠宮 功, 柿本 健一, 小林 和義
セッションID: 1B23
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
高速のデータ通信や安定した通信サービスを享受する必要がある高度情報化社会において、マイクロ波デバイスはより幅広い周波数帯で動作することが要求されている。一般に材料の共振周波数は誘電率または透磁率の値で決まる。本研究では、外部磁場による誘電率制御に電気磁気効果を利用し、共振周波数を制御することを目的としている。その候補材料としてCoFe
2O
4-BaTiO
3積層体をドクターブレード法によって合成した。各層内での剥離および欠損は確認されず、CoFe
2O
4-BaTiO
3界面においても反応が生じていないことが推察され、良好な密着性を有する積層体が得られた。
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江原 弘規, 青野 宏通, 猶原 隆, 前原 常弘, 渡部 祐司, 平澤 英之
セッションID: 1B25
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
我々は、ビーズミルを用いた物理的粉砕により微粒子化したイットリウムガーネットY
3Fe
5O
12がきわめて優れた発熱特性を示すことを報告している。一般的に強磁性体の発熱原因としてB-H曲線におけるヒステリシス損失と渦電流損失が考えられる。またビーズミル粉砕により超常磁性体となった場合、Néel緩和による発熱とBrownian緩和による発熱が考えられる。本研究ではY
3Fe
5O
12についてビーズミル粉砕により作製した微粒子材料の発熱能の増大とその発熱機構について検討した。
B-Hアナライザによるヒステリシス損失と発熱特性の間に強い相関関係があり、ヒステリシス損失の外挿値、粉末及び固化試料の実測値がほぼ同じ直線上にのることがわかった。今回測定を行った1.77 kA/mでの発熱量は約0.4 W•g
-1であり、発熱量は交流磁場の周波数f(kHz)と比例関係にあることを確認しており:
P = 3.5×10
-4fH
2
の関係があることが明らかになった。従って、この関係を用いて、磁場強度と周波数を変化させた場合の発熱能を見積もることが可能となった。
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犬飼 亮弘, 坂元 尚紀, 青野 宏通, 櫻井 修, 篠崎 和夫, 鈴木 久男, 脇谷 尚樹
セッションID: 1B26
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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フェライトの合成、HApをフェライト微粒子表面へのコーティングの2段階でハイブリッド微粒子の合成を行った。フェライトの合成には共沈法を用い、HApのコーティングには超音波噴霧熱分解法を用いた。
この結果、フェライトがコア、HApがシェルのコアシェル型のハイブリッド微粒子が合成できた。また、試料は飽和磁化が11.8 emu/g、 交流磁場の印加により9
oC 温度上昇し、さらに比表面積が21.2 m
2/g であったことから、生体親和性の高い発熱担体及びdrug delivery system(DDS)の担体、両方への応用が期待できる。
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Cedric Tassel, Kunihiro Nakano, Atsushi Kitada, Kazuyoshi Yoshimura, H ...
セッションID: 1B27
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
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We have successfully synthesized the first single crystals of an ion-exchanged layered Dion-Jacobson perovskite. The assembly shows a pseudo-tetragonal lattice with an orthorhombic structure
Pbam. The perovskite slabs have octahedral tilting along the
a axis, rendering the magnetic layers distort significantly. This new structural model provides clues for a relevant description of its magnetic properties.
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佐藤 賢一, 太刀川 純孝, 大西 晃, 脇谷 尚樹, Jeffrey Cross, 櫻井 修, 篠崎 和夫
セッションID: 1B28
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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(La
0.764Sr
0.137)MnO
3-δ(以下、LSMO)の組成をもつLSMOをPLD法によってYSZ(001)基板上に製膜した。製膜条件は製膜温度が730℃、製膜圧力が6.7×10
-2Pa、酸素流量は0.5SCCM、製膜時間は3時間であった。得られた膜を4枚に切り出した後、3枚に対して750℃、800℃、850℃で3時間アニール処理を行った。各LSMO膜は強い(110)配向性を有しており膜厚は1.8μmであった。各LSMO膜の金属-絶縁体相転移温度をVSMによる磁化測定から得られた温度-磁化曲線より求めたところ、アニール温度が上昇するにつれて金属-絶縁体相転移温度が上昇する傾向が得られた。この結果が得られた要因としてアニールによる応力状態の変化がMn原子間距離の変化をもたらしたことが挙げられると予想される。
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三栖 健史, 坂元 尚紀, 篠崎 和夫, 安達 信泰, 鈴木 久男, 脇谷 尚樹
セッションID: 1B29
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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磁性材料は、光アイソレーター、磁気記録媒体、電磁波吸収材量、永久磁石などに幅広く利用されている。光アイソレーターなどの光通信装置には、磁気光学材料としてイットリウム鉄ガーネットやBi置換希土類ガーネットなどが用いられているが、短波長領域での透光性は高くない。そのため、短波長半導体レーザーのデバイスとして用いることができる、短波長域で透光性の高い磁性体の開発が求められている。本研究では高い飽和磁化を持つ(Ni
0.5Zn
0.5)Fe
2O
4(NZF)に、NZFと同じスピネル構造を有し高い透光性を持つMgAl
2O
4(MA)を固溶させることでスピネル構造を有する透光性の高い磁性体の開発を試みた。シリカガラス基板上にMA(100-x)-NZFx薄膜をPLD法により作製し特性評価を行った。
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久保 貴義, 坂元 尚紀, 篠崎 和夫, 鈴木 久男, 脇谷 尚樹
セッションID: 1B30
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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ソフトフェライトの一つであるZnFe2O4(ZF)は通常室温において常磁性を示すが、超急冷法など特定の方法で作製したZFにおいては、陽イオンのサイトの入れ替えが起こりフェリ磁性を示すことが報告されている。 また、本研究室のダイナミックオーロラPLD装置を用いて磁場印加中で作製したZF薄膜においても、陽イオンのランダム配列が起こりフェリ磁性を示す事が報告されている。そこで本研究では、ZF以外のフェライトにおいても同様の磁場印加効果が得られるかNiFe2O4(NF)、CuFe2O4(CuF)、CdFe2O4(CdF)を用いて検討を行った。
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武藤 大夢, 安達 信泰, 太田 敏孝
セッションID: 1B31
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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我々は熱処理結晶化法を用いて、Nd-Fe-B薄膜磁石の作製を行ってきた。これまで、Mo基板上で大きな保磁力(Hc)を持つ膜の作製に成功しているが、Si基板上に作製した膜ではMo基板と同様な保磁力は得られていない。そのため、本研究では、基板や基板温度がNd-Fe-B薄膜磁石の磁気特性に与える影響を調べることを目的とした。スパッタにより成膜した試料は、XRD、SEMから非晶質だと思われ、膜面法線方向に磁気異方性を持つ軟磁性を示す。熱処理後は基板温度(Ts)により磁気異方性に変化が見られた。Ts=450℃でSi基板上に成膜した試料は、膜面垂直方向に磁気異方性を持ち、Hc=6.5~11.2kOeであった。この保磁力の差は、結晶粒径や非磁性相といった微構造が原因であると考えられる。
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伊藤 正彦, 本橋 輝樹, 鱒渕 友治, 吉川 信一
セッションID: 1B32
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
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LiNb3O8と“Li2Nb28O71”(LiNb3O8とNb2O5の混合物)をアンモニア気流中で窒化を行うことにより、Li-Nb系酸窒化物を合成した。これらの酸窒化物はLiの含有量や窒化条件の違いにより、構造の異なる3つの相が生成した。岩塩型相: (Li0.20Nb0.71□0.09)(O0.22N0.78)、六方晶相: (Li0.22Nb0.75□0.03)(O0.13N0.87)、陽イオン欠損が規則化した岩塩型相(Nb4N5型相): (Li0.044Nb0.76□0.196)(O0.13N0.87)。“Li2Nb28O71”を窒化して得られたNb4N5型相はTc = 10 K の超伝導体であったのに対しLiNb3O8からの窒化生成物である岩塩型相と六方晶相は2 K 以上で超伝導特性を示さなかった。これより、Li添加効果によりNb窒化物のTc値が強く抑制されることが明らかとなった。
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山本 隆文, 陰山 洋, Tassel Cedric, 小林 洋治, 川上 隆輝, 吉田 英人, 鎌谷 孝則, 渡邉 喜貴, 岡田 卓, 八 ...
セッションID: 1B33
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
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鉄の平面四配位を持つSrFeO
2は高圧下で中間スピン転移を起こすことが知られている。今回我々はSrFeO2と関係した構造を持つスピン梯子格子Sr
3Fe
2O
5について高圧実験を行った。その結果、SrFeO
2と同様にSr
3Fe
2O
5においてもほぼ同じ圧力で中間スピン転移が起こることを見出した。この結果は鉄の平面四配位における中間スピン転移の普遍性を示している。しかし、構造については変化が見られなかったSrFeO
2とは異なり、Sr
3Fe
2O
5ではスピン転移圧の直前で斜方晶I格子から斜方晶A格子への構造相転移が起こることも分かった。この構造相転移は単位格子の体積など結晶構造からの要求に大きく依存していると考えられ、類似の構造を持つ物質についても同様の構造相転移が期待される。
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浅香 透, 福田 功一郎, 石倉 太志, 北川 祐太朗, 木村 剛
セッションID: 1B34
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
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室温、低磁場で電気磁気効果を示すZ型六方晶フェライトの結晶構造と磁気構造を透過型電子顕微鏡法により調べた。透過型電子顕微鏡法は電子回折法、高分解能法、走査透過電子顕微鏡法、ローレンツ電子顕微鏡法により行った。測定した多結晶試料を電子回折法、高分解能法などで評価した結果、インターグロース欠陥なども持たないZ型構造を確認した。また、他の六方晶フェライト相などの不純物も確認されなかった。さらにローレンツ電子顕微鏡法により磁区構造観察を行った結果、C面内に発達した磁区構造が観察された。これは本試料の磁化容易方向はC面内にあるということを示唆している。
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辻本 吉廣, 松下 能孝, 山浦 一成, 室町 英治, 樹神 克明, 井川 直樹
セッションID: 1B35
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
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近年,複数の異なるアニオンをもつ複合遷移金属酸化物が固体化学・固体物理双方から注目を集めている.本講演では,同様の低温フッ素化反応を用いることによって,Ruddlessden-Popper型層状ペロフスカイトSr3Fe2O6Fの合成に成功し,構造および磁気特性を調べたので,それらの結果について報告する.構造解析はシンクロトロン,及び中性子回折のデータを用いて行った.また,SQUID磁束計によって磁化率の温度依存を調べた.Sr3Fe2O6Fの構造は正方晶のI4/mmmで表され,フッ素は鉄中心の八面体の頂点サイトを酸素と50%の確率で選択的に占有することがわかった.
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眞田 智衛, 山田 絵美, 中山 美智代, 与儀 千尋, 小島 一男, 和田 憲幸
セッションID: 1C17
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
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ゾル-ゲル・ディップコーティング法により、Mn
2+含有/非含有Zn
2GeO
4透明薄膜を作製し、発光特性と光触媒性について評価した。
Mn
2+含有Zn
2GeO
4薄膜を254nmの紫外光で励起することにより、530nmにピークを持つ緑色発光が観測された。この緑色発光は、Zn
2GeO
4中のZn
2+を置換して四面体構造をとっているMn
2+イオンの
4T
1→
6A
1遷移によるものだと考えられる。最も強い緑色発光内部量子効率は55%であった。またこれらの薄膜の355nm励起による蛍光寿命は約13msであった。
Mn
2+非含有のZn
2GeO
4薄膜の光触媒性を調べた結果、紫外光照射下でのメチレンブルー水溶液の分解において高い活性を示し、その疑一次反応速度定数は0.086~0.097min
-1であった。
Mn
2+含有/非含有のZn
2GeO
4薄膜の光触媒性を比較した結果、Mn
2+を含有させた場合、光触媒活性は低下することがわかった。
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Huihui Li, Shu Yin, Tsugio Sato
セッションID: 1C18
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
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The new photocatalysts have been obtained by coupling SrTi1-xCryO3 with CaAl2O4:(Eu, Nd). CaAl2O4:(Eu, Nd) with eye-visible persistent luminescence can be used as light source after a promising coupling. The obtained CaAl2O4:(Eu, Nd)/SrTi1-xCryO3 catalysts were found to persistently reduce NO in the dark after solar light irradiation, while the photocatalytic activity of unsupported SrTi1-xCryO3 immediately disappeared after turning off the light.
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田中 悠貴, 黒木 雄一郎, 岡元 智一郎, 高田 雅介
セッションID: 1C19
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
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Pd薄膜を用いた光検知式水素センサは、Pdの水素化による光学的特性の変化を検
出原理としている。膜厚が大きくなると感度は高くなるが、膜厚が数十nm以上に
なると水素化に伴うPdの体積膨張により、剥離や皺が発生するという耐久性の問
題が生じる。本研究ではスパッタ法によりPd
100-xMg
x薄膜を作製し、水素検知特性を評価した。膜中のMgの割合(x)を増加させると、高耐久性を示す膜厚の上限が増加する傾向が得られた。空気中と水素中の吸収係数の差(α
Air - α
H2)とMg含有量との関係から、Mg含有量が5~20 %の領域で、膜厚を適切な値に制御することにより、高い感度と高い耐久性を併せ持つセンサの作製が可能であることが示唆された。
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中村 将義, 加藤 英樹, 垣花 眞人, 高塚 裕二
セッションID: 1C20
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
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硫化物系蛍光体は、酸化物系蛍光体に比べて共有結合性の増大により発光中心であるEu2+の励起状態が低エネルギー化し、近紫外・可視光によって励起されるため白色LED用の蛍光体として有望である。そこで、本研究では溶液プロセス、ガス還元硫化、アンプル封入中での固相反応を組み合わせた複合無機化学的手法を用いて、新しい組成を持つ(Ca, Sr, Eu)系チオシリケート蛍光体の合成を試みた。その結果、新規の(Ca,Sr,Eu)系チオシリケートCa0.9Sr(Eu)0.1SiS3の合成に成功した。また、Ca0.9Eu0.1SiS3は350-470 nmの近紫外・可視光の励起により626 nmにピークを有する橙色の発光を示した。
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舟橋 司朗, 武田 隆史, 解 栄軍, 廣崎 尚登, 石澤 伸夫
セッションID: 1C21
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
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Eu
2+賦活Al(x)-Sr(y)-Si(z)三元窒化物系において擬似コンビナトリアルな手法を用いた新物質探索を行い、8つの既知相の他、未知相を発見した。未知相の内、一つの物質についてSEM-EDSによる成分分析とX線構造解析を行い、新蛍光体材料であることを確認した。また、探索の過程で、実験的なAl(x)-Sr(y)-Si(z)三元窒化物系の相分布を得ることができた。
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吉村 亮太, 河村 剛, 武藤 浩行, 松田 厚範
セッションID: 1C22
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
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希土類イオンを利用したアップコンバージョン発光(UC)は、短波長レーザ媒質への応用の観点から広く研究されている。UCは通常、フッ化物結晶中に希土類イオンを取り込ませることで高効率化できるが、フッ化物結晶の低い化学的・機械的耐久性が応用のネックとなる。そこで、耐久性に優れた酸化物ガラス中にフッ化物結晶を析出させることで上記の問題を解消できると考えられるが、フッ化物の結晶相の選択や結晶子サイズ・結晶の分散状態の制御などが非常に困難である。そこで本研究では、ゾル―ゲル法により、組成を細かく変化させた母体ガラスを作製し、その後、様々な温度により熱処理することで、希土類イオンを取り込んだ種々のフッ化物結晶を析出させることを試みた。
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野地 篤, 本間 剛, 小松 高行
セッションID: 1C23
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
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組成(40-x)SiO
2-xB
2O
3-20Al
2O
3-4CaO-16NaF-20CaF
2(x=0~40) ガラスは溶融急冷法により作製し、CaF
2結晶の結晶化挙動におけるB
2O
3添加の影響を調査した。電気炉中で結晶化させたCaF
2結晶の粒径は、B
2O
3量の増加に伴い増大した。レーザー誘起結晶化法は、Ni
2+とEr
3+をドープしたガラスに、波長1080nmのYb:YVO
4ファイバーレーザーを照射して行った。蛍光スペクトル測定からEr
3+イオンがCaF
2結晶中に固溶していることを確認した。レーザー照射によりパターニングされたCaF
2結晶の形態は、B
2O
3添加により変化することが示唆された。
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木岡 桂太郎, 本間 剛, 小松 高行, レイブステン シンディ, ダ 二ン, ウ゛ォンダラチェック ローター
セッションID: 1C24
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
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通常の溶融急冷法にて30Na
2O-25Nb
2O
5-(45-x)SiO
2-xAlO
1.5 (x=0, 2.5, 5)組成のガラスを作製した。
得られたガラスのガラス転移温度、結晶化ピーク温度をDTA測定により決定した。
ガラスを各結晶化温度にて5h結晶化させ、NaNbO
3相が析出していることをXRD測定により確認した。
AlO
1.5の含有量増加に伴って結晶化ガラスの透過率は増加し, 通信波長帯である1550nmでのx=2.5, 5の組成の透過率はおよそ90%となり, 前駆体ガラスと同等の値を示した. 特にx=5の組成は可視光域においても高い透明性を示した.
結晶化ガラス中のNaNbO
3結晶の粒径をTEMにより観察し、x=0では約180nm、x=2.5では約100nm、x=5では約50nmとなり、透過率測定の結果と一致した。
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松田 朋子, 本間 剛, 小松 高行
セッションID: 1C25
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
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モリブデン酸ガドリニウムGd
2(MoO
4)
3はα-, β-, β’-等の構造多系を有する結晶で、種々の希土類イオンを置換することが可能である。このうちβ’相は強誘電・強弾性特性を有する光学結晶として知られている。当研究室ではGd
2O
3-MoO
3-B
2O
3系のバルクガラスの結晶化によりβ’相の単相形成に成功している。また希土類サイトをSm
3+で部分置換したガラスへ赤外レーザー照射を施すことで位置選択的結晶パターンを形成し、特異な結晶成長を示すことが明らかとなっている。これらの結果はいずれもバルク状態のガラスにおける結晶化挙動であるが、光導波路・光スイッチ等への応用を考慮すると薄膜における位置選択的な結晶化パターニングが強く望まれる。これまで、モリブデン酸ガドリニウムの薄膜形成とβ’-Gd
2(MoO
4)
3結晶の生成に関する研究例は報告されていない。本研究は、ゾルゲル法を用いGd
2O
3-MoO
3系薄膜を作製し、その結晶化挙動を明らかにすることを目的とする。
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永縄 勇人, 早川 知克, 野上 正行
セッションID: 1C26
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
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我々はこれまで強い還元力,保護力,金属酸化物とのキレート結合性を持つ有機錯化剤4,5-dihydroxy-1,3-benzene-disulfonic acid (Tiron)に注目し,Au微粒子の合成とTiO
2を被覆する研究を行ってきた.これまでの研究でAu微粒子をアモルファスTiO
2で被覆することが可能となっている.そこで本研究では,Au微粒子を被覆するTiO
2の結晶化について実験を行った.
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高橋 儀宏, 安藤 正尊, 井原 梨恵, 長田 実, 藤原 巧
セッションID: 1C27
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
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無機結晶中における欠陥の存在は物性に甚大な影響を与える一方、欠陥の積極的導入/制御による結晶材料の誘電特性向上や新光機能発現が報告されている。これまでにTakahashiらはワイドギャップ酸化物半導体であるwillemite型Zn
2GeO
4が析出した透明ナノ結晶化ガラスの創製に成功し、結晶化によるwillemite相への格子間亜鉛欠陥の選択的導入を確認している。この過剰欠陥の生成機構は結晶化の前駆段階と密接に関連すると思われるが、これら詳細については未だ不明である。そこで本研究では、非弾性光散乱のin-situ観測および透過型電子顕微鏡によりLi
2O-ZnO-GeO
2系ガラスの結晶化前駆段階について調査し、ガラス/過冷却液体の微視的構造とwillemite相への亜鉛欠陥導入との関連について議論することを目的とする。
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藤原 巧
セッションID: 1C29A
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
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新規な結晶化ガラスを開発し、産学連携を通じてアクティブな光波制御を可能とし、ナノワットの低動作電力で駆動できる光ファイバデバイスの創製に成功した。(平成21年度学術賞受賞講演)
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藤原 健司, 早川 知克, 野上 正行, デュクレア ジョレネ, トーマ フィリップ
セッションID: 1C31
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
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我々はBiO1.5を5mol%添加したBiO1.5-WO3-TeO2ガラスが優れた3時非線形光学特性を持つことを報告してきた。このガラスに希土類(Sm, Er)を添加することで高い非線形光学特性を持つ発光材料を作製し、その光学特性とJudd-Ofelt解析による評価を行った。Judd-Ofelt解析の結果から誘導放出断面積を算出し、BiO1.5-WO3-TeO2ガラスのレーザ材料としての特性も評価した。
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山岡 一樹, 山崎 芳樹, 岩渕 直樹, 井原 梨恵, 高橋 儀宏, 藤原 巧
セッションID: 1C32
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
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非線形光学結晶を析出させた結晶化ガラスは能動的機能性を持つため、光コンポーネント材料として期待できる。しかし、元来結晶化ガラスは失透し、さらに結晶成長制御が困難なため、光学応用と特性評価は現状では難しいとされてきた。この問題を解決するため我々は二次光学非線形性を示すFresnoite型結晶(Sr
2TiSi
2O
8)を析出するSrO-TiO
2-SiO
2ガラスに着目し、高い透明性と高いc軸配向性を達成する条件を見出した。一方でSr
2TiSi
2O
8は単結晶の作製と大型化が困難なこともあり、材料特性はほとんど報告されていない。また、これまでに我々のグループで同型異種構造をもつBa
2TiSi
2O
8型結晶化ガラスの電気光学効果(EO)の測定に成功している。そこで本研究は光変調材料としてSr
2TiSi
2O
8の性能を調査するため、結晶化ガラスのEO効果の測定ならびに評価を行った。
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畑中 翼, 船木 秋晴, 直江 邦浩, パブロ モリナ, ガルシア ビジョラ, 島村 清史
セッションID: 1C33
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
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近年,精密加工用レーザー加工機の普及・高出力化に伴い,光源の安定化と破壊防止を担う光アイソレーターは非常に重要になってきている.レーザー加工機に使用される波長1μm帯において,光通信で使用されている鉄系磁性ガーネット薄膜単結晶の透過性は十分でなく,可視から近赤外まで透明で適度なファラデー回転角を有するTb3Ga5O12(TGG)単結晶が使用されている.しかし,700 nm以下での透過率不足,結晶育成が比較的困難,非常に高価である,などの問題点も指摘されており,それらの問題を解決すべく,本研究ではTb3(Sc,Lu)2Al3O12(TSLAG)単結晶に注目し結晶育成を試みた.
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