抄録
マンニトールとホウ酸の縮合物を前駆体として用いて、不活性雰囲気下で焼成することで炭化ホウ素(B4C)粉末の合成を試みた。調製した前駆体を1300℃-5h、Arガス流通下で焼成することにより、残留炭素をほとんど含んでいないB4C粉末を得ることができた。また、残留炭素の低減と合成温度の低温化を目的とし、大気中熱分解操作を導入した。熱分解条件によりC/B2O3比を制御できることから、B4C生成反応に適切なC/B2O3比とするために熱分解条件の最適化を行った。400℃-3hの条件で大気中熱分解を行った前駆体粉末を、1250℃-5h、Arガス流通下で焼成することにより、残留炭素をほとんど含んでいないB4C粉末を得ることができた。