抄録
ガラス組成25CaF2-5CaO-20Al2O3-50SiO2 (mol%)となる酸フッ化物ガラス及びCaF2ナノ結晶(10-60 nm)を析出させた透明ナノ結晶化ガラスを作製し、その機械的挙動を調査した。評価にはVickers試験とナノインデンテーション法(準静的インデンテーションと連続剛性試験)を用いた。ビッカース硬度はガラスのナノ結晶化により、5.5 GPaから6.0 GPaに上昇した。インデンテーション硬度は200-500 nm程度の押し込み深さではガラスでは7.8-8.3 GPa、ナノ結晶化ガラス(700˚C熱処理)では8.4-8.8 GPaだった。また、ナノインデンテーションの結果から、表面変形機構の議論を行った。