日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2011年年会講演予稿集
セッションID: 1G21
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均一沈殿法を利用した色素増感ZnO電極の作製
*上野 慎太郎藤原 忍
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抄録
 ワイドギャップ半導体の色素増感光化学過程を利用した色素増感太陽電池(DSSC)は,低コスト・低環境負荷等の点から次代のエネルギー源として期待されている.DSSCは透明導電性基板/酸化物半導体/色素からなるアノードと電解液およびカソードから構成されるが,動作中のアノード近傍では多くの物質移動や電荷移動が起こっているため,電池性能は特にアノードの微細構造に強く依存する.そこで我々は,アノードの微細構造制御による電池性能の改善に取り組んでいる.バンドギャップ3.37 eV を持つn 型半導体の酸化亜鉛(ZnO)は形態制御が容易であり,電極の微細構造をデザインするにあたって有利である.本研究では均一沈殿法の化学反応を利用してアノードを作製している.この方法は,尿素の加水分解により放出されるOH–によって系のpHを制御し,亜鉛源を含む水溶液から基板上に前駆体である層状水酸化炭酸亜鉛(LHZC)膜を得るもので,原料である亜鉛塩のアニオン種に応じて膜の微細構造が変化することが分かっている.今回はギ酸亜鉛二水和物を原料に用いて,新たな形態を持つLHZC厚膜の作製を試みた.この膜を焼成すると,LHZC膜の形態を保ったままZnO膜へと変化する.これにN719色素を吸着させたところ,4%を超える変換効率を示した.
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©  日本セラミックス協会 2011
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