抄録
小型大容量化用途とパワーエレクトロニクス用途の積層セラミックコンデンサに関して、その具現化のためのセラミック材料技術について述べる。小型大容量化に関しては、高い信頼性の実現のため、磁器構造各部位の信頼性への寄与、役割の把握が重要である。粒界の重要性を確認し、さらなる信頼性の向上には粒内の改質が必要であるとの考えのもと、BaTiO3のBaを一部Caで置換した(Ba,Ca)TiO3の採用した。モーター駆動に向けたインバータなどのパワーエレクトロニクス用途に向けて、BaTiO3への希土類元素の多量添加系において、元素種の影響を明確にし、BaTiO3の低損失化にはGdが優れることを見出した。これにより、従来用いられてきた常誘電体よりも高誘電率で、BaTiO3よりも低損失の材料の開発がなされた。