日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
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選択された号の論文の718件中1~50を表示しています
  • 中村 友幸
    セッションID: 1A17A
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    小型大容量化用途とパワーエレクトロニクス用途の積層セラミックコンデンサに関して、その具現化のためのセラミック材料技術について述べる。小型大容量化に関しては、高い信頼性の実現のため、磁器構造各部位の信頼性への寄与、役割の把握が重要である。粒界の重要性を確認し、さらなる信頼性の向上には粒内の改質が必要であるとの考えのもと、BaTiO3のBaを一部Caで置換した(Ba,Ca)TiO3の採用した。モーター駆動に向けたインバータなどのパワーエレクトロニクス用途に向けて、BaTiO3への希土類元素の多量添加系において、元素種の影響を明確にし、BaTiO3の低損失化にはGdが優れることを見出した。これにより、従来用いられてきた常誘電体よりも高誘電率で、BaTiO3よりも低損失の材料の開発がなされた。
  • 溝口 照康, 山本 貴志
    セッションID: 1A19
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    SrTiO3は代表的なペロブスカイト型酸化物であり,その基礎物性は実験的,理論的に古くから調べられてきた.特に原子拡散に関しては,酸素およびSrの拡散エネルギーは実験と計算で一致しているものの,Tiでは大きく異なった値が報告されてきた.そのようなTi拡散における実験と計算の相違の原因は,議論されているものの明らかになっていない.そこで,本研究ではSrTiO3の原子拡散の第一原理計算を行いその拡散挙動を調べた.
  • 坂口 勲, 廣瀬 左京, 宮崎 宏基, 古田 朋大, 渡邊 賢, 景山 恵介, 菱田 俊一, 大橋 直樹
    セッションID: 1A20
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    Sm添加チタン酸バリウムの酸素拡散に関する研究を行った。はじめにSm添加チタン酸バリウムの酸素拡散は遅い事が考えられ、このような遅い酸素拡散の場合、試料の表面処理が拡散に及ぼす影響を検討した。その結果、化学機械研磨(CMP)による表面処理が研磨に伴う表面近傍の欠陥がなく、良好な結果が得られる事が分かった。CMP処理試料は、通常の機械研磨ー熱処理試料よりも拡散係数が小さく、酸素拡散へのSmの添加効果を研究する理想的な表面処理方法である事が分かった。
  • 松嶋 雄太, 春日 慎之介, 岩瀬 勝彦
    セッションID: 1A21
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    チタン酸バリウムでは、Ti K吸収端とBa LIII吸収端のエネルギーがそれぞれ4.965 および5.249 keVと近く、XAFS法を用いて直接Ti周囲の局所構造を解析することが難しい。そこで本研究では、Baサイトに置換した(Ba,Ho) Ti O3と、Tiサイトに置換したBa (Ti, Ho) O3を作製し、HoをプローブとしてBaサイトおよびTiサイトにおける局所構造変化を調べた。その結果、Baサイトに置換した場合、温度上昇に伴いHo-O距離が単調に減少する傾向を示すのに対し、TiサイトではHo-O距離が増大することが分かった。
  • 大橋 聡貴, 林 大和, 滝澤 博胤
    セッションID: 1A22
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    六方晶BaTiO3(h-BT)は酸素欠陥の導入により、室温において正方晶BaTiO3(t-BT)を遥かに凌ぐ誘電率を示す事が知られている。しかし、h-BTの合成には1460˚Cからの急冷処理が必要なため、高温処理により粒子が凝集・成長してしまい、微粒子の合成が困難という問題がある。マイクロ波プロセスは、物質とマイクロ波の相互作用により物質自身を発熱させるため、物質の選択加熱や急速加熱・冷却が可能である。得られる効果として、反応時間の短縮や高温相の常温安定化等が挙げられ、既存のプロセスでは困難であった物質の合成が可能である。本研究では、粒子同士の凝集・成長を防ぐ為に、t-BTと反応しないカーボンを用いて粒子同士を隔て、これにマイクロ波を照射する事で、h-BT微粒子の合成を試みた。
  • 保科 拓也
    セッションID: 1A32A
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    近年,電子デバイスの小型化・高性能化の要請により,ナノ構造を有する強誘電体が広く利用されるようになってきた.従来からペロブスカイト型強誘電体においては,誘電・圧電特性が試料のサイズによって変化する,いわゆる,サイズ効果が存在するといわれており,その現象解明が重要となっている.筆者らは,代表的なペロブスカイト型強誘電体であるチタン酸バリウムの微粒子・セラミックスが示すサイズ効果に関して,試料作製や独自開発した手法による評価・解析を通して,その機構を明らかにしてきた.本講演では,それらの研究について紹介するとともに,サイズ効果の研究に関する今後の展望について発表する予定である.
  • 古田 努, 保科 拓也, 武田 博明, 鶴見 敬章
    セッションID: 1A34
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    種々のグレインサイズを有するチタン酸バリウム系セラミックスを作製し,その誘電特性におけるサイズ効果について検討した.エアロゾルデポジション法を用いて,ナノ粒子チタン酸バリウム系セラミックスの自立膜を作製した.二段階焼結法を用いて,サブマイクロ以上の粒径の試料を作製した.いずれの組成系でも,ナノ領域では粒径の減少に従い誘電率が減少することがわかった.また,Ba(Zr,Ti)O3セラミックスのナノ領域における誘電率はBaTiO3セラミックスや(Ba,Ca)TiO3セラミックスよりも低いことがわかった.これらの原因を粒界応力の影響と考え検討を行った.
  • 増野 敦信, 溝口 照康, 井上 博之, 渡辺 康裕, 森吉 千佳子, 黒岩 芳弘, 岡島 敏浩
    セッションID: 1A35
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    BaTi2O5はBaTiO3よりも高い強誘電転移温度と大きな誘電率を持つ強誘電体であることから,将来の実用材料として注目されている.誘電特性を制御するために,Baサイトを他元素で置換することが試みられているが,置換量が少ないことが課題となっている.最近我々は無容器浮遊法によってBa1-xCaxTi2O5ガラスの合成に成功し,そのガラスからの結晶化により強誘電体のBa1-xCaxTi2O5が得られることを見出した.ガラスから結晶化させたことにより,従来の固相反応と比べて置換量の大幅な増大が見られた.本研究では強誘電体Ba1-xCaxTi2O5の結晶構造と誘電特性との相関を,放射光XRDとXANESによって調べた.
  • 田代 新二郎, 石井 啓介
    セッションID: 1A36
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    通常の酸化物原料を用いた固相反応法でBaTi2O5単相の焼結体を得ることは難しいと考えられている。主にBaTiO3との混晶となる。しかしながら、これまでの実験結果から、わずかな仮焼条件の変化がBaTi2O5の合成に大きな影響を及ぼしていることが予想された。そこで本報告では仮焼条件が固相反応後の結晶相に及ぼす影響を実験的に検討した。BaTi2O5を合成するためには反応段階でBaとTiが1 : 2で固相反応する条件を見出す必要がある。そのためには粉末の充填密度および昇温速度が重要である。両原料粉の接触面積を増やすには粉末よりも成形体の方が有利である。充填密度が低ければ、BaとTiが1 : 1で反応し、BaTiO3が生成する確率が高くなる。粉末の代わりに成形体を用いると、BaTi2O5の生成量が増大することが確かめられた。また、昇温速度を遅くした方がBaTi2O5の生成量が増大した。
  • 村越 康平, 小澤 貢太郎, 深町 浩平, 坂本 尚紀, 脇谷 尚樹, 鈴木 久男, 木口 賢紀, 今野 豊彦
    セッションID: 1A37
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では熱膨張係数の差による残留圧縮応力を薄膜に印加し、面外方向に結晶格子を歪ませて強誘電特性を向上させることを目的として、デバイス応用可能なシリコン基板上に下部電極としてニッケル酸ランタン(以下LNOと略す)を化学溶液法(CSD法)で、BTOをスパッタリング法で製膜した。BTO薄膜の微構造は透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて解析した。結果として、作製した試料のXRDパターンより、Si基板上に作製したLNO電極薄膜は(100)方向に優先配向し、LNO/Si上に作製したBTO薄膜は (001)方向に優先配向していることが分かった。また、断面TEM観察の結果から、BTO薄膜は緻密でLNO下部電極薄膜はポーラス構造であることが分かった。
  • 寺西 貴志, 秋山 直毅, 綾野 敬子, 林 秀考, 岸本 昭
    セッションID: 1A38
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    近年注目されている高出力電磁波照射による効率的な合成プロセスの実現には,電磁波特有の交流周波数におけるマイクロスコピックな吸収挙動を理解することが必要不可欠である.電磁波吸収特性は一般に誘電体の誘電損失により決定する.誘電損失は, 双極子分極やイオン分極,電子分極といった各分極種の損失項の総和として記述される.本研究では,代表的な高速酸化物イオン伝導体であるイットリア安定化ジルコニアおよびイッテルビア安定化ジルコニアにおいて,低周波から光領域までの広帯域誘電スペクトル測定を行い,各分極種由来の損失項とミリ波吸収挙動との相関を定量的に議論した.
  • 大橋 直樹
    セッションID: 1B17A
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、酸化物セラミックスの研究開発において永遠の課題とも言える不定比性、電荷補償の問題について、理論、分光測定、化学的評価の複合的な視点からアプローチし、酸化物セラミックスの特性をより精緻に制御するためのヒントを得ることを目的とした。
  • 所 要介, 渡邉 高行, 佐藤 祐喜, 吉門 進三
    セッションID: 1B19
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    ZnOバリスタは顕著な非線形な電流-電圧(I-V)特性を有する素子で,過電圧抑制保護素子広くとして用いられている。ZnOバリスタのバリスタ電圧は電極間の粒界の数あるいは一粒界当たりのバリスタ電圧で決まると考えられる。また,バリスタに電流あるいは電圧が印加されると非線形なI-V特性が劣化する。この劣化を課電劣化と呼ぶ。この課電劣化の対策としてZnOバリスタには様々な添加物が添加されており,添加物やZnとの間の相互作用によって耐課電劣化特性を向上させている。本研究では毒性のあるSbと同様に一粒界当たりのバリスタ電圧およびZnO粒子に双晶を導入し粒界の数を増加させバリスタ電圧を高くするSnを添加し,その添加量を変化した場合の様々な電気的特性の評価を行う。
  • 久保田 敦子, 福盛 愛, 佐藤 祐喜, 吉門 進三
    セッションID: 1B20
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    現在,電子デバイスを用いた制御回路等の動作電圧が低くなっており,低電圧用ZnOバリスタが必要とされている。本研究ではBi系ZnOバリスタの基本添加物にZnO粒成長を促すBaと表面自由エネルギーを小さくするSiを添加してZnO粒径を大きくすることでバリスタ電圧の低下を目指している。今回Siの添加量および熱処理条件を種々変化させてZnO粒界における堆積物の分布と電気特性の関係について研究を行った。Siの添加量の変化で堆積物の形状や量が変化した。さらにアニール処理を行ったところ堆積物の形状がシート状のものが減少し,スポット状のものが増加した。アニール処理により耐課電劣化特性が良好ではなくなったことより堆積物の形状が耐課電劣化特性に寄与すると示唆された。
  • 永井 裕己, 高野 宗一郎, 原 広樹, 望月 千尋, 鷹野 一朗, 本田 徹, 佐藤 光史
    セッションID: 1B21
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    金属酸化物透明導電膜は,ディスプレイ、太陽電池用透明電極やダイオードなどのデバイスへの応用において重要である。近年,原料価格の高騰や膜の透明性,熱安定性の観点から,ITOやFTOに代わる透明導電膜としてZnOが注目されている。簡便な方法で薄膜を形成する化学的湿式法の一つである分子プレカーサー法を用いて,ZnO薄膜形成を試みた。コーティング溶液として,酢酸亜鉛とEDTAの水溶液中反応で得たZn-edta錯体を含む溶液と,ギ酸亜鉛とプロピルアミンのエタノール中反応で得た溶液の2種類を合成した。これらの溶液を石英ガラス基板上に滴下し,スピンコート法でプレカーサー膜を形成し,400ºCで30分間熱処理していずれも透明薄膜を得た。さらに,A膜上にB膜を積層してC膜を得た。得られた薄膜のXRD,UV-Vis,膜厚(触針法)と比抵抗(四探針法)を測定し,FE-SEMで表面を観察した。
  • 喜多 正雄, 小俣 孝久, 松尾 伸也
    セッションID: 1B22
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    室温で陽イオンが規則配列したウルツ鉱型関連構造を有しているZn2LiGaO4の構造相転移を高温X線回折および高温Ramanによって調べた.高温XRDでは,1000℃から760℃までは高温相が観測され,760℃以下では低温相のピークが観測された.Zn2LiGaO4は760℃付近で構造相転移が起こることが明らかになった.高温相と低温相では超格子ピークの位置が異なるので,高温相と低温相では変調構造の周期が変化していると推察される.
  • Pei ZHAO, Akihiko ITO, Rong Tu, Takashi Goto
    セッションID: 1B32
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    YBCO films with different thickness were prepared by laser chemical vapor deposition using single liquid source.
  • 小川 賢治, 平川 大樹, 小林 亮太, 大石 克嘉
    セッションID: 1B33
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    我々はCe0.15Nd1.85CuO4-yを錯体重合法で合成した。酸素欠損を作るために、サンプルを900-950℃で20h Ar雰囲気化でアニールし、その後同雰囲気下で室温までクエンチした。これらサンプルの酸素量を熱重量分析器を用いた水素還元で測定した。またSQUIDを用いて直流磁化率を測定した。この結果より、アニール温度をコントロールすることにより酸素量の違うサンプルを得ることができることが分かり、酸素量とTcの間に相関関係があることがしさせれている。
  • 加藤 雅恒, 高松 智寿, 金 鍵, 野地 尚, 小池 洋二
    セッションID: 1B34
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    Ln2CuO4 (Ln:ランタノイド)系銅酸化物超伝導体では,K2NiF4構造(T)とNd2CuO4構造(T’)の2種類の結晶構造が知られている.通常の合成法では,イオン半径の大きなLn = LaのときはT構造,小さなLn = Pr-GdのときはT’構造をとる.しかし,約300度の低温で合成すると,Ln =LaでもT’構造をとることを我々は示した.また,T構造はホールドーピングが,T’構造は電子ドーピングが可能と言われてきた.しかしながら,本研究では,ホールドープしたT’構造の(La,M)2CuO4 (M = Sr, Ca) を低温で合成することに成功したので報告する。現在のところ超伝導は出現していないが,その出現の可能性について議論する.
  • 本橋 輝樹, 伊藤 正彦, 分島 亮, 鱒渕 友治, 吉川 信一
    セッションID: 1B35
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    Li-Nb酸窒化物をLiNb3O8のアンモニア窒化により合成し、その電磁気特性を調べた。構造解析の結果、本物質は八面体層と三角プリズム層が相互積層した結晶構造をもち、八面体サイトにはLiとNbが共存し、三角プリズムサイトはほぼNbのみが占有することが明らかになった。本物質は金属的伝導性を示し、約3 Kから電気抵抗率が急激に低下した。さらに、この温度以下で大きな反磁化が観測され、超伝導転移を示唆した。
  • 中野 晃佑, 矢島 健, 竹入 史隆, 小林 洋治, 陰山 洋
    セッションID: 1B36
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    Na2Ti2As2Oをはじめとするチタンニクタイド酸化物は、Fig.1に示すようにNa層と[Ti2As2O]層が交互に積層したAnti-K2NiF4型構造をとる。この系は、チタンが正方格子(Ti2O面)を形成する点で銅酸化物超伝導体(CuO2面)と類似しているが、遷移金属の電子状態が、銅酸化物ではCu2+(d9)であるのに対し、Na2Ti2As2OではTi3+(d1)である。すなわち電子・ホールを逆にした対照的な系とみなせる。またこの系は低温で鉄砒素系超伝導体と同様に、SDW/CDW転移を起こすことが知られているため、鉄砒素系超伝導体との関連性も興味が持たれる。

    本系は、その構造類似性の高さから、従来ペロブスカイト型化合物で用いられてきた様々な合成戦略が適用可能である。例えば、層間イオンの制御による物性制御は興味深い。今回我々は、Na層の代わりにBa層を含む新規化合物、BaTi2Sb2Oの合成に成功したので、その合成および物性を報告する。

    BaTi2Sb2Oは、BaO, Ti, Sbを原料とし、グローブボックス内で混合、石英封入した後、1000℃で焼成することにより得た。X線構造解析の結果、Fig.2に示すように、Ba層と[Ti2Sb2O]層が交互に積層した構造をとり、格子定数はa = 4.111Å、c = 8.072Åであった。また磁化率測定からも同じ温度で異常が見られたことから、本系も類縁化合物と同様にこの温度でSDW/CDW転移を起こすと考えられる。詳細な構造、物性ついては当日発表する。
  • 別役 倫彰, 西本 俊介, 亀島 欣一, 三宅 通博, 藤井 英司
    セッションID: 1C18
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    表面濡れ性が制御された撥水・親水パターン材料は、オフセット印刷版、マイクロリアクターなどの幅広い応用が期待される。特に、高い濡れコントラストを有する材料は上記応用分野の可能性を拡大すると考えられる。紫外光照射下で超親水化する酸化チタンは、高い濡れコントラストを実現するために適した材料の一つであり、有機物修飾による撥水化及びフォトマスクを利用した紫外光の位置選択的照射による超撥水・超親水パターンの作製が可能である。そこで本研究では、チタン板を水熱処理することで多孔質酸化チタン層が形成することに着目し、得られた試料表面への有機物修飾による超撥水化および紫外光照射下での親水化挙動について評価を行ったので、その結果を報告する。
  • 山本 和広, 冨田 恒之, 三浦 恭之, 垣花 眞人
    セッションID: 1C19
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    光触媒として知られるTiO2にはいくつかの多形が存在するが、その中でも合成なアナターゼ型、ルチル型は研究報告が多くある。しかし合成の困難なブロンズ型はその機能が明らかでなく、新規材料として興味深い。我々は水溶性チタン錯体を原料とした水熱法によってブロンズ型TiO2を合成し、その光触媒機能の評価を行った。合成したブロンズ型TiO2分散液を用いてブロンズ型TiO2薄膜を作製し、その光誘起親水性評価を行ったところ、市販のアナターゼ型ゾルから作製した薄膜と同等の光誘起親水化速度を示した。一方、暗所での親水状態の保持能力ではブロンズ型TiO2の方が優れており、ブロンズ型TiO2が新規光触媒材料として有望な材料であることが明らかとなった。。
  • Kunchaya Pruethiarenun, 磯部 敏宏, 松下 祥子, 中島 章
    セッションID: 1C20
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    ブルッカイトとヘテロポリ酸(PW12)のハイブリッド透明薄膜を交互積層法により作製し、その光触媒活性と、光誘起親水性を比較した。薄膜は300度で熱処理し、PW12をブルッカイト表面に固定した。PW12を薄膜表面に付けることによりブルッカイトのIPA分解活性も、光誘起親水化活性も向上した。また親水化後の暗所で親水性の維持性も向上した。この結果について、濡れ仕事量の変化と、表面での親水-疎水領域の分布から考察した。
  • 中島 章
    セッションID: 1C21A
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    液体による固体表面の濡れ性の制御は、セラミック材料などに防曇、着雪着氷防止、潤滑性向上、セルフクリーニングなどの様々な機能を付与する上で重要である。これらの機能を更に向上させ、様々な部材に付与できるようにするためには、固体表面の構造や組成、並びに、それらの配列や分布が、液体の静的・動的濡れ性とどのように関係するのかを明らかにする必要がある。我々は、様々な方法で固体表面のナノレベルでの構造や組成の制御を行うとともに、固体表面の濡れ性に関する独自な評価方法を開発し、固体表面の構造や組成の特徴と、その面上での水滴の静的・動的濡れ性との関連性を解明することで、液滴の挙動を制御するための固体表面の設計指針を明らかにしてきた。本発表ではそれらについて報告する。
  • 古庄 真也, 大瀧 倫卓
    セッションID: 1D18
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    秩序的かつ均一なメソポーラス構造が熱伝導率に及ぼす影響を調べるため、六方対称に規則配列したメソポーラスシリカMCM-41を大気中およびN2中で焼結した。大気中700˚C焼結体はMCM-41の細孔規則性が消失することがXRD測定結果からわかった。しかし、これらの焼結体は10-50%程度の気孔率を持ち、通常の多孔体に比べ熱伝導率が大幅に低下した。さらに、N2雰囲気下では大気中よりも高温まで細孔規則性が維持されることがわかった。MCM-41の熱安定性は酸素不在下の方が高いためと考えられる。
  • 大津 広大, 松原 秀彰, 野上 正行
    セッションID: 1D19
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    シリカエアロゲルは、低熱伝導率、透明性、低屈折率、軽量など、様々な特性を有する多孔材料である。これらの特性は、ナノオーダーの複雑な三次元多孔構造に起因していると考えられるが、その構造の詳細な解析は難しい。そこで、計算的手法を導入し、エアロゲルの多孔構造を解析することが効果的と考え、本研究では、シミュレーションにより作成した多孔構造とシリカエアロゲルの多孔構造の類似性を検討した。また、作成した多孔構造を用いて、熱伝導シミュレーションを行った。
  • 山口 哲央, 松田 歩, 松原 秀彰
    セッションID: 1D20
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    日本の総エネルギー消費の約7.5%を占める住宅・ビル等の冷暖房によるエネルギー消費の抑制は、日本全体の省エネにとって最も重要な課題の一つであり,画期的な新規断熱材料の開発が不可欠である.断熱材料の性能を高めるには,固体熱伝導・気体熱伝導の低減に加えて,輻射伝熱を低減させることが必要となる.本研究では,新規断熱材料における輻射伝熱の低減に注目して、Super Insulatorに関する研究を行う.ここでのSuper Insulatorとは,多孔質体の低固体熱伝導物質と低放射材料を積層させた構造の断熱材料を指す.低固体熱伝導物質としてナノ多孔質透明体であるシリカエアロゲルを、低放射材料として金の箔を用いて超断熱モデル材料を作製し,その熱伝導率を評価した結果について報告する.
  • 仲沢 達也, 永井 秀明, 奥谷 猛
    セッションID: 1D21
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    近年、CuInSe2薄膜太陽電池の代替材料として、有毒元素を含まず資源的に有利であるCu2ZnSnS4が注目されている。しかしながら、従来の方法では均質なCu2ZnSnS4薄膜を作製することは困難であると考えられている。そこで、本研究では融液を冷却チルに叩きつけることで急冷凝固するスプラット凝固と、熱対流がなく、物質の沈降・浮游がなく均質な状態を維持できる微小重力環境を組み合わせた微小重力スプラット凝固を用いて均質Cu2ZnSnS4を作製した。均質バルクをターゲットとしてレーザーアブレーション法で薄膜を作製することで、ターゲットとの組成ずれが少ない均質なCu2ZnSnS4を作製した。
  • Yulia Eka Putri, Chunlei Wan, Kunihito Koumoto, Michiko Kusunoki, Wata ...
    セッションID: 1D22
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    We investigated the influence of doping on the (BiS)1.2(TiS2)2 misfit layer sulfides as a novel thermoelectric material. The substitutional doping was attempted to improve its thermoelectric performance through decreasing the carrier concentration. The alkaline earth doping successfully reduced the carrier concentration. However, ZT value could not be optimized due to a slight decrease in Seebeck coefficient and an increase in lattice thermal conductivity. We analyzed this strange result and discussed the effect of structural change by doping on the thermoelectric properties of (BiS)1.2(TiS2)2.
  • 岡田 悠樹, 西山 伸
    セッションID: 1D32
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    熱電変換材料は環境負荷の少ないエネルギー源として期待されている。本研究ではLa2-xSrxCuO4にFe2O3を添加することで、その電気的性質の変化を調べると共に、熱電変換性能の向上を目指した。電気伝導度はSrの置換を行うことで上昇し、Feを添加すると減少した。またゼーベック係数は電気伝導度とは逆の関係を示した。これは、Srの置換によってキャリア濃度が増加し、Feの添加によってキャリア濃度が減少したためであると考えられる。出力因子はSrの置換を行うだけでは減少した。これはゼーベック係数の減少の寄与が大きかったためであり、キャリア濃度が高すぎたと考えられる。Feの添加を行うことでキャリア濃度が最適地に近づき、出力因子は単相のものを超える値を示した。
  • 宗 達也, 西本 俊介, 亀島 欣一, 三宅 通博
    セッションID: 1D33
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    近年、熱電変換材料の候補として、高温条件下で化学的に安定である酸化物系材料が注目されている。その中でも、ZnOは高い電気的熱電性能を示すことから、酸化物系n型熱電変換材料として期待されている。しかし、純粋なZnOは、高い電気的特性を生かす為のキャリア濃度が十分ではない為、ZnO結晶中へのAl, Ni, Sn, Tiなどの異種元素をドープすることによる、熱電特性の向上が試みられている。Scについては、薄膜状のZnOに対してScをドープすることにより、キャリア濃度が増加する事が報告されている。しかし、バルク体ZnO中へのScドープに関する研究や、熱電特性の報告はない。そこで、本研究では、Sc-doped ZnO焼結体を固相反応によって作製し、結晶構造と熱電変換特性に与える影響の検討を行った。
  • 安川 雅啓, 志賀 優太, 河野 敏夫
    セッションID: 1D34
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    BaBi1−xSbxO3 (x = 0.0 - 0.5)セラミックスを作製し,高温熱電特性に対するSb固溶効果を調べた.XRDパターンからx = 0.0~0.2では単斜晶(BaBiO3型),x = 0.3~0.5では菱面体晶(BaBi0.5Sb0.5O3型)の構造をとることがわかった.規格化した格子体積はSb濃度の増加とともに単調に減少した.これらの結果とともに結晶中でBi3+及びBi5+と共存し得るSbの価数を考慮して,Sbは5価で固溶し,一連の固溶体はBaBi3+0.5Bi5+0.5−xSb5+xO3と表されることができる.  固溶体セラミックスの電気伝導率は,x = 0.0~0.5のいずれも半導体的温度依存性を示し,活性化エネルギーはx = 0.5を除きいずれも約0.4 eVと評価された.Sb濃度の増加とともに電気伝導率は減少した.ゼーベック係数はx = 0.0~0.5のいずれも,正の値を示し温度上昇とともに値が減少する熱活性化型挙動を示した.Sb濃度の増加とともにゼーベック係数は増加した.これらの結果から,BaBi1−xSbxO3 (x = 0.0 - 0.4)における電気伝導はBi5+(6s0)とBi3+(6s2)の間の正孔ホッピングによるが,Sb5+(5s0)がBi5+(6s0)を置換固溶することで正孔(6s hole)濃度を減少させていると考えられる.出力因子はSb非固溶のBaBiO3に対して最大(500℃で約3×10−5 Wm−1K−2)を示した.
  • 大瀧 倫卓, 宮石 壮
    セッションID: 1D35
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    かご状構造を有するβ-パイロクロア型酸化物ATaWO6 (A=K, Rb, Cs) に注目し、かご状構造中に内包されたアルカリ金属原子Aと熱伝導率との関連を検討した。熱拡散率αの序列は全ての温度範囲でCs≥Rb>Kとなり、一般的な熱伝導理論による予測と全く反対の序列となることがわかった。内包された原子Aが小さいほどかご状構造の空隙とのサイズのミスマッチが大きくなるため、ラットリング運動が増強され、より強くフォノンを散乱するためと考えられる。KTaWO6について実測したκは、理論的な熱伝導率の下限値κminと極めてよく一致しており、この物質中ではフォノンの平均自由行程がその下限近くまで短くなっていることが示唆される。
  • 小塩 翔太, 西山 伸
    セッションID: 1D36
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    Ca置換によるSrFeO3の電気的性質の変化について調べた。Sr1-xCaxFeO3-x/2のXRD測定の結果、x=0.27でCa2Fe2O5のピークが現れたことから、SrFeO3に対するCaの固溶限界がx=0.25であることが分かった。x≧0.27のSr1-xCaxFeO3-x/2とCa2Fe2O5のゼーベック係数が、ともに高温になるにつれて大きくなるという点で同じ傾向を示した。またx=x=0.25での電気伝導度は、温度によらず比較的高かった。ゼーベック係数と電気伝導度から算出した出力因子は、300℃におけるx=0.25の値が突出している。以上のことから、固溶限界の前後で電気的性質の傾向にも変化が見られることが分かった。
  • 山田 智文, 青柳 倫太郎, 坪井 康敏, 横田 壮司
    セッションID: 1D37
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    Fe置換したBaTiO3の作製と熱電変換特性を評価した。Fe置換量5~10%のセラミック試料では室温において正方晶と六方晶の両方の構造が確認され、10%以上では六方晶のみ確認された。ゼーベック係数はBFT50よりBFT30が高く800 Kで594 V/Kを示した。
  • 遠藤智之 智之, 林 大和, 滝澤 博胤
    セッションID: 1D38
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    近年、地球温暖化等の環境対策の一つとして廃熱を電力に変換する熱電発電が注目されている。その熱電発電を可能にする熱電材料には、高温大気中において安定で、安価かつ無害な酸化物材料が注目されている。酸化物材料である(ZnO)5In2O3は、層状構造に起因する低熱伝導な性質を有し、InO2-層、(InZn5)O6+層は高導電性である為、高温大気中で使用可能な高性能熱電材料として期待できる。また、より熱電性能の高い(ZnO)5In2O3を得る為には、ドーピングや結晶配向の最適化が必要である事は既往の研究によりなされている。そこで本研究では、(ZnO)5In2O3の合成にAl-doped ZnOを原料として用いる事で高い出力因子を有する(Zn1-xAlxO)5In2O3の合成とマイクロ波加熱を用い、低温・短時間で板状粒子からなる焼結体を作製する事で熱電特性向上を期待した。
  • 郭 樹啓, 香川 豊
    セッションID: 1E17
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    ZrB2は高融点、高熱伝導率、高電気伝導率を持ち、宇宙返還機などの超高温用部材としての応用が期待されている。その応用を実現するために、高い高温強度、耐酸化性および高い破壊靭性が求められている。ナノセラミックス材料は、従来の材料に比較すると、改善した強度や破壊靭性などの優れた力学特性を示した。したがって、ナノZrB2粉末の合成やナノ粒子からなるバルク材料作製は重要な課題である。本研究では、ZrH2とアモルファスB粉末を用い、メカノケミカル法によるナノZrB2粉末の合成を行い、得られた粉末の形態および粒径に及ぶすアニール温度の影響を明らかにすることを目的とした。
  • 森戸 春彦, 山根 久典
    セッションID: 1E18
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    講演者らは最近、Na-Si-Bの三元系において物質探索を行い、新規物質Na8B74.5Si17.5を発見した。本研究では、加熱温度や原料B等の合成条件がNa8B74.5Si17.5の生成に及ぼす影響を調査した。また、B粉末の圧粉体をNaおよびSiとともに1173 Kで加熱することで、加熱前の形状を保持したNa8B74.5Si17.5のバルク体を作製した。得られたバルク体のかさ密度は1.90 Mg/m3で、Na8B74.5Si17.5の理論密度2.48 Mg/m3の約77 %であった。この試料について室温3点曲げ試験を行った結果、曲げ応力は約104 MPaであった。
  • Mettaya Kitiwan, Akihiko Ito, Takashi Goto
    セッションID: 1E19
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    The sintering of hBN-TiN-TiB2 composite was performed by spark plasma sintering (SPS) at 2173 K under the pressure of 100 MPa for 300 s. TiB2 formation was observed in hBN-TiN-TiB2 composite containing 50 vol%hBN. With increasing hBN content from 10 to 90 vol%, the apparent densities decrease from 4.8 to 2.6 Mg m-3. The sintering mechanism in this ternary system was mainly occurred by the densification of TiN and TiB2, while the in-situ TiB2 formation has been also beneficial to the densification.
  • 小林 亮太, 多々見 純一, 脇原 徹, 米屋 勝利, 目黒 竹司, 塗 溶, 後藤 孝, I-W. Chen, 大石 克嘉
    セッションID: 1E20
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    窒化アルミニウム(AlN)と炭化ケイ素(SiC)は全組成領域でAlN-SiC固溶体を形成するが、その微構造や特性が組成に依存して変化することが知られている。我々はこれまで、常圧焼結法や放電プラズマ焼結法(SPS法)を駆使してAlN-SiC固溶体からなるセラミックスを作製し、微構造や電気的特性について系統的な調査を行ってきた。本研究では、SPS法により作製した緻密なAlN-SiC系セラミックスの微構造の観察を行い、室温から高温における機械的特性について評価・考察を行うことを目的とした。
  • 草野 大
    セッションID: 1E21F
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    企業研究フロンティア講演 エンジニアセラミックス部会
  • 吉田 克己, 篠田 豊, 鈴木 義和
    セッションID: 1E32
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    炭化ケイ素(SiC)は,耐熱性,耐環境性,耐磨耗性,高熱伝導性,高温高強度,低放射化特性などの優れた特性を有しており,高温構造部材や耐磨耗部材として利用されている.本研究では,Al2O3及びTiO2を焼結助剤としてSiCをホットプレス焼結し,その焼結性を評価した.Al2O3-TiO2焼結助剤を5 wt%及び10 wt%添加し,1800oCでホットプレス焼結したSiC焼結体のかさ密度はそれぞれ2.62 g/cm3及び2.73 g/cm3,開気孔率は16~18 %であり,緻密な焼結体は得られなかったが,1900oCでホットプレス焼結したSiC焼結体のかさ密度はそれぞれ3.10 g/cm3及び3.17 g/cm3,開気孔率は3%以下となり,緻密なSiC焼結体が得られた.  1900oCでホットプレス焼結した試料のX線回折を行い,結晶相を同定したところSiCはβ相であった.また,焼結助剤として添加したTiO2に由来するTiCに帰属する回折線が見られた.
  • 安田 公一, 上村 和裕
    セッションID: 1E33
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
     10mol%ガドリニウムドープセリアセラミックスを,大気中,1000℃から1400℃の温度で焼結した.得られた焼結体の見かけ密度をアルキメデス法で,また,真密度ピクノメーター法で測定した.見かけ密度と真密度から計算された相対密度は,焼結温度1200℃までは増加したが、1200℃以上の温度では,減少した.原料粉末の熱重量分析を行った結果,1200℃以上での重量減少は認められなかった.このことから,高温におけるセリアの不定批性により,1200℃以上の温度域で酸素の放出が起こったことが示唆された.
  • 片山 正貴, 小林 雄一
    セッションID: 1E34
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    仮焼後に微粉砕したカオリン及びタルク、酸化物ゾルからカオリンもしくはタルクと同様の化学組成を有する粉末をそれぞれ調製し、それら粉末の成形体や分散懸濁液を組み合わせることで、Al2O3-SiO2系組成物とMgO-SiO2系組成物の反応界面に生成するコーディエライトの配向性を検討した。その結果、1325℃以下で熱処理して生成したコーディエライトは、そのc軸が反応界面に対して平行に配向した。ゾル混合物を組み合わせた試料の表面でもコーディエライトが配向したことから、コーディエライトはAl2O3-SiO2系組成物とMgO-SiO2系組成物から形成される界面での固相反応によって配向生成することが示唆された。
  • 鈴木 達, 川名 孝弥, 打越 哲郎, 阿部 修実, 目 義雄
    セッションID: 1E35
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    EPD法の積層体成形方法と強磁場を組み合わせることで配向制御積層構造の作製を行い、残留応力を導入することに成功している。本研究では、層厚と結晶方位を制御したアルミナを作製し、その積層体での亀裂進展過程を検討した。EPD法により強磁場中で成形する際に一定時間毎に電場と磁場のなす角を変化させてアルミナの配向方位を制御しながら積層体の作製を行った。0度-90度で積層した場合には、0度層で圧縮応力が、90度層で引張り応力が導入されて、層界面で亀裂が偏向することが確認された。亀裂が0度層から90度層に進入するときには層界面から離れるように偏向し、逆にの場合には層界面に近づくように偏向した。
  • 宇野 賢次郎, 垣澤 英樹, 香川 豊
    セッションID: 1E36
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    貝殻真珠層は厚さ数百nmの多角形のアラゴナイトリッチなプレートがレンガ状に積層した構造を持ち、プレート間を有機物マトリックスが満たしている。その体積の95%以上がセラミックス相でありながら1%以上の引張破壊ひずみを示すことが知られている。  真珠層の変形はプレートの累積的なプルアウトによって生じるため、プレート界面のせん断すべり抵抗がマクロな特性に大きな影響を及ぼしている。すべり特性の発現には界面に存在する有機相が寄与していると考えられるが、その機構は完全には明らかでない。有機相中に存在するタンパク質は、外部負荷により分子内のドメイン構造や分子同士の架橋構造を可逆的に変化させることが報告されており、外部負荷による有機相の変化が真珠層のマクロな力学特性に影響を及ぼしている可能性が考えられる。そこで本研究では、界面の有機相に繰返しの負荷を加えた際の真珠層の力学特性の変化をミクロ、マクロの両面から調べ、有機相の影響を明らかにすることを目的とした。
  • 白石 敦則, 堤 靖幸, 吉田 秀治, 寺? 信, 勝木 宏昭
    セッションID: 1F17
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    銅赤釉(辰砂釉)の安定した発色技術を確立するために、赤色発色した銅釉試料を用いてシンクロトロン光分析等を行い、釉中の銅の状態変化を調査し、発色メカニズムの解明を試みた。その結果、赤色発色した石灰釉試料では釉中に金属銅の存在が確認されたものの、赤色発色したバリウム釉試料のXRD,TEM測定結果では金属銅の存在が確認できなかった。また、XAFS測定結果では、銅赤釉中の銅の状態はCu2Oに近かった。以上の結果から銅赤釉の赤色発色の原因は、釉(ガラス)中の銅がCu2Oのような状態になっているためと考えられる。
  • 堤 靖幸, 寺? 信
    セッションID: 1F18
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    陶石の安定供給と製造工程の燃料消費量削減を目的として、これまで利用されていなかった天草産低火度陶石を活用して低温焼成磁器を開発した。天草陶土を使った通常の磁器の焼成は1300℃程度で行われるが、本研究で開発した低温焼成用陶土は1160℃で磁器化し100℃以上の広い温度域で焼成可能であった。また1229℃焼成体の物性は曲げ強度84MPa、熱膨張係数は7.36×10-6/K(RT~650℃)であり、通常の磁器の水準であった。
  • 吉田 英樹, 藤野 茂, 梶原 稔尚, 福田 太一, 福田 友和
    セッションID: 1F19
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    蓄光材-ガラス複合体の残光輝度特性向上を目的として、ガラスの組成および焼成条件が複合体の残光輝度特性に及ぼす影響について検討した。その結果、蓄光材SrAl2O4:Eu2+,Dy3+と50SiO2-30B2O3-2.0Al2O3-0.2Na2O-6.5K2O-0.5MgO-3.0CaO-1.5BaO-3.8ZnO-2.5ZrO2(mol%)の組成を有するガラス粉末を、蓄光体配合割合35mass%となるように混合し、焼成温度780℃で30分間焼成したとき、輝度が最も向上し励起光照射停止1時間後に125 mcd・m-2を示した。これは、光の散乱因子となる複合体内部の閉気孔生成と蓄光材/ガラス界面における発光の全反射をそれぞれ抑制したことにより、蓄光体の発光を複合体外部に効率的に放出できたことが要因と考えられる。
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