抄録
アルミナ多孔体は、触媒担体、断熱材などに用いられる重要な工業材料である。このような用途においては、各種水溶液による腐食挙動に関する知見が不可欠である。そこで本研究では、アルミナ多孔体を水酸化ナトリウム水溶液に浸漬した時の重量と機械的特性の変化を評価することを目的とした。今回は、焼結助剤としてタルクが添加された細孔径10μmのアルミナ多孔体を用いて実験を行った。これを80℃の10wt%水酸化ナトリウム水溶液に6および24時間浸漬した。いずれの腐食時間においても腐食試験後により重量が減少することが確認された。24時間腐食試験後には圧縮強度が1/3程度に低下した。また、SEM-EDS観察の結果、圧縮強度の低下は粒界に偏在していたSiを多く含むガラス層の溶出による粒界強度の低下に起因していると考えられる。