抄録
植物への均一な栄養供給とともに、放射性セシウムの除去が可能な新材料を開発するため、陽イオン交換反応を利用した水熱処理による天然モルデナイト/水酸アパタイト複合体の作製と、その複合体中のHA形成量の制御に関する検討を行った。その結果、天然モルデナイト中のCa2+とリン酸アンモニウム水溶液との反応により天然モルデナイト近傍にHAが合成でき、接触回数により水酸アパタイト形成量の制御が可能であることを明らかにした。本複合体は、モルデナイトと水酸アパタイトの両方の性質を持つため、放射性セシウムを回収可能な持続性無機肥料として期待できる。