抄録
チタン酸バリウム(BaTiO3)は誘電体材料であり、電子部品に広く用いられている。従来のBaTiO3の合成法には固相法、水熱合成法、シュウ酸塩法、ゾルゲル法などがあり、固相法では高温(800~1200℃)での熱処理が必要であり、水熱合成法ではチタン源として四塩化チタンが用いられているため、有害な塩化水素の発生を伴う。我々は、これまでに有害なハロゲン、窒素、硫黄を含まないチタンを含む水溶液について報告してきた。本研究ではこのチタン酸に水溶性のバリウム化合物を溶解して水熱処理する低温合成について検討した。