抄録
マグネタイト(Fe3O4)等の磁性ナノ粒子を含むポリメチルメタクリレート(PMMA)系骨セメントは、椎体等の荷重のかかる部位に発生したがんの温熱治療用材料として有用である。演者らはこれまでに、Fe3O4ナノ粒子を含有させたPMMA系骨セメントが交流磁場の下で良好に発熱することを明らかにした。しかし、同セメントの化学的安定性や細胞適合性は明らかでない。そこで本研究では、Fe3O4ナノ粒子含有PMMA系骨セメントのメチルメタクリレート(MMA)モノマー溶出挙動および細胞適合性を調べた。その結果、Fe3O4ナノ粒子含有PMMA系セメントは、やや多量のMMAモノマーを溶出するにも関わらず、Fe3O4ナノ粒子を含まないセメントと同程度の細胞適合性を示すことが明らかとなった。