抄録
圧電セラミックスを高電界で駆動した際、高調波の発生、共振周波数の低下、共振周波数近傍で圧電変位が不連続に増大・減少するジャンプ現象が生じる。これら非線形現象の理解はハイパワー駆動用の圧電デバイスの設計に重要であるが、それらを扱う理論は未だ確立されていない。そこで、我々は圧電基本式を非線形現象が記述できるよう再構築し、これら非線形現象の理論的解析を試みている。本発表では、この理論を用いて解析した共振ジャンプ現象の結果について報告する。振動子を交流電界で励振し、共振周波数近傍で周波数を掃引することにより振動速度の共振曲線を得た。測定結果を理論式により最小二乗フィッティングし各材料定数を決定した。得られた材料定数の温度特性を基に、共振ジャンプ現象におよぼすドメインの寄与について議論した。