抄録
多孔質セラミックスの製造プロセスには数多くの方法があるが、目的とするサイズ・形状の気孔を、低コストかつ低環境負荷で再現性良く作製できることが望ましい。これまで我々は,炭酸塩や水酸化物・水和物原料中に含まれるCO2やH2Oを気孔形成剤として有効利用することにより,造孔剤や有機バインダーを添加することなく、1 ミクロン付近に非常にシャープな細孔径分布をもつ多孔質セラミックスを作製してきた。最近では、擬ブルッカイト構造を有し、低熱膨張を特徴とするMgTi2O5に着目し、反応焼結法(その場合成法)により多孔質MgTi2O5を作製している。本研究では、焼成後の組成をMgTi2O5の化学量論組成により近づけるように制御して多孔質MgTi2O5を作製し、その特性を評価した。