日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2012年年会講演予稿集
セッションID: 3K25
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溶融法によるリチウム鉄ケイ酸系スピネル結晶の合成
*本間 剛富樫 拓也小松 高行
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抄録
リチウムイオン二次電池は、近年、電気自動車などの大型蓄電池としての需要が高まってきている。電気の構成部材である正極は主に遷移金属酸化物から構成されており、コバルト酸リチウムを代表とする層状酸化物、スピネル構造を有するマンガン酸リチウム等が実用化されているが、結合強度の弱い構造からサイクル特性や原材料コストの高さから、大型電池へはより化学的に安定で安価な原材料から構成される材料が求められている。近年、遷移金属ユニットにリン酸などの典型元素酸化物ユニットを導入した化合物において、新たな活物質としての可能性が報告されている。中でもリン酸鉄リチウムLiFePO4はオリビン型構造を有し、安価な鉄を用いることと化学安定性と良好なイオン伝導性を示すことから注目されている材料の一つである。本研究グループではLiFePO4結晶についてガラス結晶化による合成法を提案している。大型二次電池で特に正極材料の占める重量割合は大きく、資源の消費量も需要拡大に応じて資源問題が懸念されており、結晶を構成するリンも資源枯渇が懸念される元素である。ケイ酸は埋蔵量が豊富であることから、リン酸をケイ酸で置換した新規材料をガラス結晶化法により創製することを目的に、Li2O-Fe2O3-SiO2系において溶融急冷と結晶化を試み、その電気的、二次電池としての可能性について検討したので報告する。
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©  日本セラミックス協会 2012
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