抄録
近年、原料合成及び焼結技術の進歩により、高い透明性を有するガーネットセラミックスがγ線やX線用のシンチレータ材料として注目されている。最初にセラミックスシンチレータとして研究されたのがCe3+:Y3Al5O12 (YAG)及び(Gd, Y)3Al5O12 (GdYAG)であり、ガンマ線照射時に高い発光量と高速応答を示すことが報告されている。その後、Ce3+やPr3+を添加したLu3Al5O12(LuAG)セラミックスにおいても優れた放射線応答を示すことが報告され、単結晶の代替としてその応用が期待されている。本研究では、室温で電荷移動遷移による高速応答を示すことが知られているYb3+を添加したYAGセラミックスの光学及びシンチレーション特性について検証を行った。