抄録
Ce3+やEu2+イオンを賦活した金属窒化物蛍光体は白色LED照明に向けた黄-赤色蛍光体として広く知られており、M2Si5N8:Eu2+ (M = Ca, Sr, Ba) は種々の方法で容易に合成することができる[1]。M2Si5N8に対してEu2+の代わりにCe3+で賦活した場合、緑色の発光を示すが、M2+ イオンとCe3+イオンの間で電荷の不均衡が起こり、M2Si5N8 母結晶中にCe3+イオンが十分固溶しない。本研究では、このような電荷の不均衡を解消し、良好な発光を得る目的で母結晶にAlを加えたM2(Al, Si)5N8:Ce3+を合成し、白色LED照明に向けた条件の最適化を行った。