公共選択の研究
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道路サービス民営化の判断基準
金野 和弘
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2004 年 2004 巻 42 号 p. 5-19

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抄録

本稿は, 道路サービスの民営化問題を所有権アプローチを用いて検討する.道路がクラブ財であることを考慮し, 固定設備一定の下で道路サービスを民営化すべきか否かを判断する上で重要な基準として, 道路サービスのQualityと運営コストに焦点を当てる.この2つを改善するには経営者による事前的投資が不可欠であるため, Grossman and Hart (1986) を端緒とする所有権アプローチに基づいて事前的投資が抱えるインセンティブ問題を検討する.本稿から導かれる結論は以下のとおりである: (i) 事前的投資をより多く引き出すという視点では道路サービスの民営化は望ましい, ただし, (ii) 運営コストの削減がサービスのQualityを著しく悪化させる場合, そして (iii) 政府企業の経営者が持つ事前的投資インセンティブが高い場合には, 民営化は必ずしも支持されない.

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© 「公共選択の研究」編集委員会
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