Progress of Digestive Endoscopy
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臨床研究
早期胃癌と内視鏡診断された未分化型胃癌の縮小手術適応に関する検討
鳥海 史樹才川 義朗熊井 浩一郎青木 真彦吉水 信就吉田 昌古川 俊治大谷 吉秀久保田 哲朗向井 萬起男北島 政樹
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2003 年 62 巻 2 号 p. 36-40

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抄録
 近年,Quality of lifeを考慮した内視鏡的胃粘膜切除術(EMR)・腹腔鏡下胃切除術などの縮小手術が積極的に行われるようになってきた。そこで今回術前に内視鏡診断上早期胃癌と診断された未分化型胃癌の臨床病理学的診断を検討することにより,いまだコンセンサスの得られていない未分化型胃癌の縮小手術の是非について検討した。
【対象】1994年1月~1997年12月までに当院で早期胃癌と内視鏡診断され切除術が施行された293例のうち未分化型胃癌(por1,por2,sig)91例を対象とした。【結果】深達度診断での正診率は未分化型胃癌では91例中83例,91.2%であった。手術時,肉眼的に切除断端陰性であり,病理組織診断で切除断端陽性であった症例を未分化型胃癌に3例3.3%に認めた。リンパ節転移陽性率は,分化型粘膜内癌の0.7%に対し,未分化型粘膜内癌では6.2%と有意に高値を示した(P=0.02)。未分化型胃癌で深達度診断が正診された83例中,5例(6.0%)にリンパ節転移を認めた。【結論】肉眼的早期胃癌のうち,未分化型早期胃癌の術前診断における深達度診断・境界診断の困難性と,未分化型粘膜内癌の高率なリンパ節転移率を示した。早期胃癌に対する低侵襲性治療において,未分化型腺癌への適応は慎重に行うべきである。
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© 2003 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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