2003 年 63 巻 2 号 p. 29-31
種々の原因により経口摂取が低下した症例に対しては,従来より経鼻胃管を用いた経腸栄養が汎用されていた。呼吸器合併症の発症や鼻への刺激,QOLの問題などから,最近では長期間に渡る経腸栄養を必要とする症例に対しては,経皮的内視鏡的胃瘻造設術(PEG)が一般的であり,内視鏡医が経腸栄養路造設の依頼を受けることは今後も増加してくるものと思われる。当科でも胃瘻外来を立ち上げたところ,神経疾患や脳血管障害の症例を中心に経腸栄養路造設の依頼が続いている。PEGが施行できない症例やPEGの効果が不十分な症例に対しても,J-チューブ挿入術や経皮経食道的胃管挿入術(PTEG)を併用することにより,殆ど全ての症例において満足できる結果を得ている。これらの手技は,内視鏡医にとって熟達すべき手技と思われるため,実際の症例を提示しつつ報告した。