Progress of Digestive Endoscopy
Online ISSN : 2187-4999
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臨床研究
胃十二指腸潰瘍の除菌成功後に非NSAIDs十二指腸潰瘍再発を繰り返した1例
植木 信江三宅 一昌濱本 達彦鈴木 健司楠 正典進士 陽子篠木 啓平塚 哲郎西垣 均二神 生爾和田 謙津久井 拓坂本 長逸
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2004 年 64 巻 2 号 p. 28-31

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抄録

 胃潰瘍に対するヘリコバクターピロリ(Helicobacter pylori ; 以下,H.pylori)除菌後に十二指腸潰瘍再発を繰り返した症例を経験した。症例は50歳男性,下血と心窩部痛を主訴に受診し内視鏡検査にて出血性胃潰瘍と診断された。除菌療法と8週間のプロトンポンプインヒビター(以下,PPI)投与を施行したが,その後受診せず放置された。除菌8カ月後,心窩部痛を主訴に来院,胃潰瘍は瘢痕化していたが,類円形の活動性十二指腸潰瘍の再発を認めた。その後,PPIにて一旦いずれの潰瘍も瘢痕化していたが,PPI中止後,十二指腸潰瘍を再度再発した。除菌後,尿素呼気試験を3回行うが,いずれもH.pylori陰性であった。
 今回我々は,除菌成功後に極めて典型的な消化性潰瘍の形態を有する再発性十二指腸潰瘍を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する。

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© 2004 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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