抄録
症例は81歳,女性。便潜血陽性を指摘され精査目的で当センターを受診。2004年10月18日の大腸内視鏡検査にて下行結腸に約7mmのⅡa+Ⅱc型病変を認め,2005年1月4日精査目的にて入院。10月18日の内視鏡検査では病変に形態変化が見られ,厚みを増し,陥凹境界は外側に移行し陥凹領域の増大を認めた。また,逆噴射所見も認めsm massive癌と診断し,下行結腸切除術を行った。病理組織学的には10×10mmのⅡa+Ⅱc類似の2型進行癌であり,well differentiated adenocarcinoma,ss,ly0,v3,n0,stageⅡ,Dukes Bであった。3カ月という短期間で形態変化を来たした興味深い症例と考えられ,文献的考察を加え,報告する。