抄録
症例は71歳男性。主訴は下痢,腹痛,嘔気。既往歴に気管支喘息,心房細動。2004年5月下旬より膨隆し始めた紫斑性丘疹が下肢中心に多数みられ,血液検査にて好酸球増多を認めたため,精査加療目的で入院となった。入院直後より呼吸困難,3病日より下肢しびれ感が出現し歩行困難となった。上部消化管内視鏡では体部から幽門部にかけて地図状潰瘍が多発していた。下部消化管内視鏡では直腸からS状結腸および回腸終末部に粘膜の発赤と浮腫を認めた。いずれの生検組織も粘膜に優位に好酸球の浸潤があり,血管周囲の肉芽種性変化がみられた。皮膚生検組織は毛細血管周囲および血管壁へのリンパ球浸潤を認め血管炎の所見であった。以上よりCSSと診断しステロイド投与を行った。その結果,好酸球数は速やかに正常範囲内に低下し,消化器症状の改善も得られた。CSSは皮疹,神経症状で発症することが多いが,消化器病変の合併も少なくない。本症のように皮疹がみられ,消化器症状が続発する場合,本症も念頭に置き検査する必要があると思われ,若干の文献的考察を加えて報告する。