Progress of Digestive Endoscopy
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症例
内視鏡的治療が有用であった上腸間膜動脈血栓症術後の縫合不全による難治性瘻孔の1例
富田 剛治北里 憲司郎高田 全希土屋 智昭関根 慎一真野 恵美子片平 誠一郎瀧川 拓人石崎 陽一竹田 泰
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2005 年 67 巻 2 号 p. 94-95

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抄録
 症例は85歳女性。上腸間膜動脈血栓症に対しTreiz靭帯より120cmの部位よりの大量腸切徐,小腸瘻造設術を施行した。術後,1週で小腸瘻閉鎖,小腸横行結腸吻合を施行した。その後の縫合不全に対し,再開腹,洗浄ドレナージ施行した。吻合部は周囲との癒着が強く挙上困難であったため腸瘻とせず,開放ドレナージとした。絶飲食,潰瘍創部よりのドレナージにて保存的に加療した。約2カ月で長径約15cmの開放創が完全に肉芽に覆われた。しかし経口摂取開始後,ピンホール状の瘻孔を認めた。絶飲食,経肛門的減圧チューブによる加療で瘻孔は,一時的には閉鎖したが,経口摂取を開始するごとに再発を繰り返した。そのため,大腸内視鏡を用いた腸管内腔からのクリッピングによる閉鎖,フィブリン糊の経皮注入を試み,治癒を得た。内視鏡的クリッピングは特に残存腸管の長さが不充分な症例の縫合不全治療の際,手術の前に試みるべき方法と思われる。
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© 2005 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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