抄録
64歳のアルコール性肝硬変の男性が,胃静脈瘤の増大にて当院に紹介された。CTでは静脈瘤の排血路がはっきりしないため,経皮経肝門脈造影を施行した。排血路は心囊静脈と肋間静脈だった。排血路からのアプローチは困難と考え,供血路の短胃静脈と後胃静脈は経皮経肝門脈を経由してコイルで塞栓した。術後の脾静脈造影では胃静脈瘤は造影されず,術後3週間の内視鏡でも胃静脈瘤は縮小しRCサインは消失していた。PTOは一時的な効果に留まるとされているが,今回のような脾腎シャントまたは胃腎シャントの認められないような血流量の少ない胃静脈瘤であれば効果を期待できると考えられる。