抄録
【症例1】患者 : 77歳,女性。2年前から腹痛,嘔吐を繰り返していたが,上部,下部内視鏡検査では異常を認めなかった。腸閉塞となり当院受診し,シングルバルーン内視鏡検査を施行した。回盲弁より120cm口側に1cm長の狭窄があり,バルーン拡張術にて腸閉塞は治癒した。【症例2】63歳男性。数カ月前から上腹部痛があったが,上部,下部内視鏡検査では異常を認めなかった。腸閉塞をきたすため,シングルバルーン内視鏡検査を施行したところ回盲弁より80cm口側に全周性の狭窄を認めた。小腸造影で狭窄は5cm長あり,腹腔鏡補助下回腸部分切除術を施行した。病理組織学所見では虚血性狭窄であった。